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愛される少女【HP】

第87章 S・P・E・W


玄関ホールに到着すると、それ以上先に進むことができなくなった。大理石の階段の下に立てられた掲示板の周囲に、大勢の生徒が群れをなして右往左往していたのだ。

「なにかしら?」

『近づいてみましょう』

私達が近づいても、何も見えない。しかし、隣にいたロンが爪先立ちをして読み上げてくれたため、私達は内容を知ることができた。

「三大魔法学校対抗試合。ボーバトンとダームストラングの代表団は10月30日、金曜日、午後6時に到着予定。授業は30分早く終了し」

「いいぞ!金曜の最後の授業は、魔法薬学だ。スネイプ先生は、僕たち全員に毒を飲ませたりする時間がない!」

「全校生徒は、カバンと教科書を寮に置き、歓迎会の前に城の前に集合し、お客様を出迎えること」

途中でハリーが口を挟んだが、ロンが読み終えた。

「たった一週間後だ!セドリックのやつ、知ってるかな?知らせてやろう...」

ハッフルパフのアーニー・マクミランが、目を輝かせて群れから出て来る。そのマクミランが言った聞き覚えのある名前に、私は何か話しているクレアとエイミーを横目にそちらを見た。

「セドリック?」

「ディゴリーだ。きっと、対抗試合に名乗りを上げるはずだ」

私は、ハーマイオニーに話したいことがあったのを思い出して、3人を追いかける。

「あのウスノロが、ホグワーツの代表選手?」

ロンの言葉に、私は眉間にしわを寄せた。

「あの人はウスノロじゃないわ。クィディッチでグリフィンドールを破ったものだから、あなたがあの人を嫌いなだけよ。あの人、とっても優秀な学生だそうよ。その上、監督生です!」

「君は、あいつがハンサムだから好きなだけだろ」

これで決まりだという口調で言ったハーマイオニーにロンが痛烈に皮肉る。

「お言葉ですが、私、誰かがハンサムだというだけで好きになったりいたしませんわ」

ハーマイオニーは憤然として言う。ロンは、大きな空咳をしたが、それがなぜか'ロックハート!'と聞こえた。

『やっと、追いついた!』

「「「ユウミ?!」」」

『えぇ、ハーマイオニーに話があって...でも、その前に』

私は、ロンをチラと見る。

『セドリックはウスノロなんかじゃないわ。ロン、次にそんなこと言ってるの聞いたら...』

「なんで、ユウミがそんなことを言うんだ?」

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