第14章 ハロウィーン
あのあと私は梟小屋に来ていた。ミーアに癒してもらおうと思ったのだ。私が梟小屋に入るとすぐにこちらに飛んで来てくれたミーアを撫でたりしながら癒しをもらっていた。しばらくすると、誰かが入ってきた。
「ユウミ?」
振り向くとそこにはクレアがいた。
『クレア!手紙出しに来たの?』
「そうよ。両親に書いたから出そうと思って。ユウミは?元気ないみたいに見えるけどどうかしたの?」
学校の梟に手紙をくくりつけたクレアはこちらを心配そうに見つめて言った。
『なにもないわ。ミーアと戯れに来たのよ』
にっこりと笑顔を作って返事をすると、クレアは少し悲しそうな顔をした。
「ユウミ、私は頼りないかしら?私はユウミのこととても大切なお友達だと思ってるわ。だからなにかあったなら話してくれると嬉しいわ。もちろん無理にとは言わないけれど...」
クレアの優しい言葉に涙腺が緩んだ私は、クレアに抱きついた。そんな私をクレアは優しく抱き締め返してくれた。
『クレア、ありがとう。頼りないなんてこと絶対にないわ。頼ることが苦手なだけなのよ』
「そうなのね。ユウミ、いつでも頼ってくれていいのよ」
クレアの優しい言葉に、抱き締める力を少し強くしてしばらくそのままでいた。しばらくして落ち着いてきたのでクレアからゆっくり離れて場所を移動することにした。クレアが来てから離れていたミーアを撫でてから、梟小屋を出たのだった。
外の、人目のあまりないところで先程のハリー達とのやりとりを注意しようとしたこと,でもその前のドラコの思いだし玉の時には見て見ぬふりしたこと,そんな私に注意する資格がないことを話した。静かに相槌を打ちながら聞いていたクレアは私が話終わると口を開いた。
「そんなことがあったのね。注意をするってとても勇気のいることだと思うわ。それが友達だとなおさらね。嫌われるかもしれない、友達ではなくなるかもしれないって。でも私はユウミにはそれは出来ると思うわ」
『どうして?』
「だってあなたはネビルを庇ったり、ミアとエイミーと私のことを気にして仲良く出来ないかと行動したりできる子だもの。そんなユウミなら注意することも出来ると思うわ」
クレアのその言葉は私の心が揺さぶられた。