第84章 三大魔法学校対校試合
「今回は、マルフォイが正しいわね。ハーマイオニーはああ言ってたけど...」
『ハーマイオニーは、ドラコを黙らせるためにああ言ったんだと思うわ』
「ユウミ!クレア!エイミー!」
ちょうど大広間についた私達は、自分達を呼ぶ声に顔をそちらに向けた。ミアだ。手を振っている。私達も手を振り返して、そちらに向かう。
「魔法生物飼育学、どうだった?」
「そうだね〜たまにはマルフォイとも〜意見が合うってところかな〜」
ミアの問いに、エイミーがそう答えた。ミアは、不思議そうな顔になる。私はクレア達とお喋りしながらご飯を食べて、エイミーと一緒に北塔に行った。梯子を上がり部屋に入ると、暖炉から立ち昇るあの甘ったるい匂いが鼻を突く。
いつものように、カーテンは締め切られている。円形の部屋は、スカーフやショールで覆われた無数のランプから出る赤い光りで、ぼんやりと照らされていた。私とエイミーは適当なところに、一緒に腰かける。
「こんにちは」
ハリーのすぐ後ろにトレローニー先生がいた。悲劇的な目つきでハリーを見下ろしている。
「あなた、なにか心配してるわね。私の心眼は、あなたの平静を装った顔の奥にある、悩める魂を見透していますのよ。お気の毒に、あなたの悩み事は根拠のないものではないのです。私には、あなたの行く手に困難が見えますわ。あぁ...本当に大変な...あなたの恐れていることは、可哀そうに、必ず起こるでしょう...しかも、おそらく、あなたが思っているよりも早く...」
哀しげだった先生の声は、低くなり、最後はほとんど囁くように言った。トレローニー先生は、暖炉前に置かれた威厳を演出する大きな肘掛椅子に座り、生徒たちと向かい合う。トレローニー先生を崇拝するラベンダーとパーバティは、先生のすぐ傍のクッション椅子に座っている。
「みなさん、星を学ぶときが来ました。惑星の動き、そして天体の舞うような歩みを読み取る者だけに明かされる神秘的予兆。人の運命は、惑星の光によって、その謎が解き明かされ、その光は交じり合い...」
そのあと先生は、ハリーに向かっていつものように不吉なことを言ったがハリーは聞いていないみたいだった。ロンが話しかけると、ハッとしたように辺りを見回した。それでやっと、教室のみんなが自分をみていることに気づいたみたいだ。