第84章 三大魔法学校対校試合
クレアの言葉に、エイミーが苦い顔をする。
「薬草学は、ハッフルパフと合同ね」
「え〜。ユウミ、占い学あるよ〜」
『あら、本当ね』
エイミーと私は顔を見合わせた。
「二人とも、占い学嫌ならやめれば良かったのに」
私達の顔をみたミアがそう言う。でもハリーが取っているから取るなんていってしまったら、誤解をされそうだと思い何も言わなかった。
「私は〜やめられないもの〜2教科しかとってないから〜」
薬草学の授業のために濡れていて足元の悪くなっている野菜畑を通り、第3温室につく。温室ではスプラウト先生にいままで見たこともないような醜い植物を見せられた。
植物というより、真っ黒な太い大ナメクジが土を突き破って直立しているかのようなものだ。微かにうごめいていて、いくつかの光る大きな腫れ物が噴き出していて、その中に、液体のようなものが詰まっている。
「'ブボチューバー(腫れ草)'です。搾ってやらないといけません。みんな、膿みを集めて...」
「えっ、なにを?」
スプラウト先生がてきぱきと説明したが、シェーマスが気持ち悪そうに聞き返した。
「膿みです。フィネガン、うみ」
スプラウト先生が繰り返す。
「これは、とても貴重なものですから、無駄にしないよう。膿みを、いいですか、この瓶に集めなさい。ドラゴン革の手袋をして。原液のままだと、このブボチューバーの膿みは、皮膚に変な害を与えることがあります」
膿み搾りは気持ちの悪いものだったが、なんだか奇妙な満足感があった。腫れたところを突付くと、黄緑色のドロッとした膿みがたっぷり溢れ出し、強烈な石油のような臭いがした。いい臭いではない。先生に言われたとおり、それを瓶に集めると、授業が終わる頃には数パイントにもなっていた。
「マダム・ポンフリーが、お喜びになるでしょう。頑固なニキビに素晴らしい効き目があるのです、このブボチューバーの膿みは。これで、ニキビをなくそうと躍起になった生徒が、とんでもない手段を取ることもなくなるでしょう」
最後の一本の瓶にコルクで栓をしながら、スプラウト先生が言う。
「かわいそうな、エロイーズ・ミジェンみたいにね。自分のニキビに呪いをかけて取ろうとしたのよ」
ハッフルパフ寮生のハンナが声をひそめて言った。それが聞こえたのかスプラウト先生が首を振ってこう言う。