第84章 三大魔法学校対校試合
クレアに呼び掛けられて、私は立ち上がる。騒々しい音を立てて、全校生徒が立ち上がり、群れをなして玄関ホールに出る二重扉へと向かう。
「ユウミ、医務室に行くんでしょう?」
『え?あぁ...でも大丈夫そうよ』
クレアに言われて思い出した私はそう言った。
「何を言ってるの!行かないとだめよ!」
『でもね、クレア。早く着替えた方がいいと思わない?乾いてきてるけどね』
「そうよ、クレア。それから考えてもいいんじゃないかしら?」
私の言葉にミアも乗ってくれたことで、私達は寮へと向かうことになった。みんなが寮へと入るのについていく。部屋へときた私は、みんなに言われて一番にシャワーを浴びさせてもらった。
『お先に!ありがとう』
クレアが心配そうな顔で私に近づいてくる。
「ねぇ、大丈夫?熱は?」
『熱は出てないわ。大丈夫よ』
にっこり笑うと、クレアは私のおでこに自分の手をおいてほっと安心したように息をついた。
「クレアって〜ユウミのことすごく心配するね〜」
「当たり前じゃない!ユウミ、弱そうだもの。ほら、見た目からしてそう見えない?」
ミアとエイミーは私を見て納得したように頷く。
『やだ、それで納得しないでよ。身長のことを言ってるの?大して変わらないじゃない?』
私の身長は、日本人の平均身長くらいだ。そのため、みんなより低いが大して変わらないと私は思う。身長がこれくらいなのは、前世の影響ではないかと思っている。
「変わるよ〜」
エイミーの言葉に、私は納得いかない表情をした。しかし、ミアがあくびをして眠そうな顔をしたため、私達は寝る支度を再開する。ベッドには、湯たんぽが入っていた。屋敷しもべ妖精がやってくれたのだろう。
『おやすみなさい』
3人と挨拶をして、私はベッドに横たわる。そして、いつのまにか眠ってしまったみたいだ。
「おはよう、ユウミ」
『おはよう、クレア』
しばらくしてミアも起きて、クレアがエイミーを起こす。いつもどおりである。
「嵐はおさまったわね」
大広間に向かうなか、ミアがそう言った。しかし、大広間の天井はまだどんよりしている。私達が朝食の席で時間割りを確かめているときも、天井には鉛色の重苦しい雲が渦巻いていた。
「魔法生物飼育学、またスリザリンと合同よ?」
「うそ〜」