第83章 ホグワーツ特急に乗って
翌朝。目を覚ました私は、下へ行く。外は、激しい雨が窓ガラスを打っている。真夜中に、マッド・アイの家に忍び込んだ人がいたとかなんとかで騒動が起こったはずだ。今頃、アーサーさんは大変だろう。
往年のマッド・アイは、偉大な魔法使いだった。確か、アルバスの古くからの友達だ。マッド・アイは、もう引退しているが腕利きの闇祓いであった。マッド・アイのお陰で、アズカバンの独房の半分は埋まったらしい。しかし、年を取ってひどい被害妄想に取り憑かれるようになったらしくもう誰も信じない。
「私は、ここで待ってるわ」
9と4分の3番線のプラットフォームに、いつも通りに来た私とお父さまとお母さま。私とお父さまは、コンパートメントを取るためにホグワーツ特急に乗り込んでから、またお母さまの元へ来た。
「ユウミ、今年はいつもとは少し違う年になるよ」
『あら、お父さま。なにかは教えてくれないんでしょう?』
お父さまとお母さまは、ホグワーツで起こることを知っているらしいが私には教えてくれていない。前世の記憶があるから、私は知ってしまっているが。
「すぐに、わかるよ」
「今年のクリスマスをどうするかは、手紙で知らせてちょうだい?」
私は頷いて、微笑んだ。
「今年はきっと面白くなるよ。ただ、体調には十分気を付けるんだ、わかったね?」
『えぇ、わかったわ、お父さま』
お父さまとハグを交わす。
「規則が変わって良かったわ、安心してあなたを送り出せるもの。でも、体調には気を付けるのよ?」
『気を付けるわ、お母さま』
お母さまともハグを交わした。そのとき、汽笛が鳴る。そのため、お父さまとお母さまに挨拶をして私はホグワーツ特急に乗り込んだ。
「「「ユウミ!」」」
振り向くと、ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人がいた。
『久しぶりね!』
「えぇ、久しぶり!」
「あ、ねぇ。ユウミなら知ってるんじゃないか?今年、ホグワーツで何が起こるか」
ハーマイオニーと挨拶を交わした私は、ロンの問いに首を振る。
『お父さまもお母さまも教えてくれなかったわ』
「ユウミもか!気になるよなぁ」
そのまま、私は3人のコンパートメントにお邪魔することになった。ロンはトランクを開け、栗色の何かを引っ張り出し、ピッグウィジョンの籠にかぶせて、ホーホー声を消す。