第13章 真夜中の決闘
「介添人ってなに?」
なにも知らないらしいハリーがロンに聞いてるのを横目に、私はまだ悩んでいた。
「もし君が死んだら、僕が代わりに戦うってことさ。」
「え!?死ぬ!?」
「もっともそれは、大人の魔法使いの場合だからそんな顔しなくても大丈夫だよ。君とマルフォイならせいぜい火花を散らす程度だろうよ」
ロンの説明にハリーは安心したのかホッとため息をついた。しかしまた不安な表情になった。
「もし杖を振っても何も起こらなかったら?」
「その場合は素手で殴ってやれ」
ロンの言い方にハリーは笑って、安心したようだった。そんな2人の会話を聞いていたらしいハーマイオニーが身を前に乗り出した。
「あなた達なに考えてるの?!また規則を破るつもり?!」
しかし、ハリーとロンは無視して食事を食べ始めたため矛先はこちらに向けられた。
「ユウミ!あなたも言ってやってよ」
『...え?ごめんハーマイオニー聞いてなかったわ』
考え事をしていた私はハーマイオニーの言葉を聞き取れずに聞き返すと、やっぱりなんでもないわと言ってご飯を食べ始めた。さぁ、私はどうしようか。
夜になりやっぱり行くことに決め、クレア達を起こさないようにそっと部屋を出て談話室におりると、そこには誰もいなかった。そこで寮のドアを開けて外に出るとそこには2人とネビルがいた。
『ハリー、ロン、ネビルこんばんは』
「「「ユウミ?!」」」
3人は驚いたようにこちらを振り向き、ロンは私だとわかると微妙な顔になった。
「まさか君もハーマイオニーと同じで、僕たちを説得しに来たの?」
『ちがうわ。ただ心配だから私も行こうと思っただけよ。だめかしら?』
本当はフラッフィーに会うためだったが、心配する気持ちも嘘ではなかったためそう伝えた。
「そういうことなら、いいよ」
2人は快くオッケーを出してくれた。ネビルがなぜここにいるか聞くと、飛行訓練で腕を折ったため医務室にいたが、夜になり寮に戻ろうとしたら合言葉を忘れて入れずにいたため誰かを待っているうちに眠り込んでしまったらしい。
『合言葉は豚の鼻よ?腕はもう大丈夫なの?』
「大丈夫。マダム・ポンフリーがすぐに治してくれたんだ!」
心配で聞くと、大丈夫との返事でとても安心した。