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愛される少女【HP】

第78章 バクマンとクラウチ


バグマンの背後を、げっそりやつれた魔法省の役人が数人、遠くのほうで魔法火が燃えているということがわかる火花を指差しながら、急いで通り過ぎた。魔法火は、二十フィートの上空に紫の火花を上げている。

パーシーが急いで進み出て、バグマンに握手を求めた。バグマンが、担当の部署を取り仕切るやり方が気に入らなくとも、それはそれとして、バグマンに好印象を与えるほうが大切なことのようだ。

「ああ...そうだ。私の息子のパーシーだ。魔法省に勤めはじめたばかりでね...こっちは、フレッド...おっと、ジョージだ。すまん...こっちがフレッドだ...ビル、チャーリー、ロン...娘のジニーだ...それからロンの友人のハーマイオニー・グレンジャーとハリー・ポッターだ。それからルイスは知っているな?ルイスの娘のユウミだ」

ハリーの名前を聞いて、バグマンはほんのわずかに反応して、目がハリーの額の傷痕を探った。それから私のお父さまの名前に反応して、私の方を見て笑う。

「みんな、こちらはルード・バグマンさんだ。誰だか知ってるね。この人のお陰でいい席が手に入ったんだ...」

バグマンはニッコリして、そんなことはなんでもないというように手を振った。

「試合に賭ける気はないかね、アーサー?ロディ・ポントナーが、ブルガリアが先取点をあげると賭けた...いい賭け率にしてやったよ。アイルランドの攻撃陣3人は、近来にない強豪だからね...それと、アガサ・ティムズ嬢は、試合が一週間続くと賭けて、自分の持っているウナギの養殖場の半分を賭けたよ」

バグマンは、黄色と黒のローブのポケットに入っている金貨で音を立てながら、熱心に誘う。相当額の金貨のようだ。

「ああ...それじゃ、賭けようか。アイルランドが勝つほうに、ガリオン金貨一枚じゃどうだ?」

「一ガリオン?よし、よし...ほかに賭ける者は?」

バグマンは少しがっかりしたようだが、気を取り直してそう言った。

「この子たちに、ギャンブルは早過ぎる。妻のモリーが、嫌がる...」

「賭けるよ。37ガリオン、15シックル、3クヌートだ。まず、アイルランドが勝つ...でも、ビクトール・クラムがスニッチを捕る。あ、それから、だまし杖も賭け金に上乗せするよ」

ジョージと2人で急いでコインを掻き集めながら、フレッドが言った。

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