第74章 再び、ふくろう便
特に、グリフィンドールのテーブルは一番の賑やかさに包まれている。みんなと一緒に、大いに食べ、飲み、語り、笑い合った。翌朝、クレア達とホグワーツ特急に乗り込むと、しばらくしてホグワーツ特急は駅を出発した。
「今年の夏は、クィディッチのワールドカップね!」
ミアが声をあげる。
『そうね、ミアは行くの?』
「わからないわ。でもパパ、切符を手に入れようと頑張るって言ってたの。ユウミは?」
私はそこで考え込む。
『うーん、わからないわ』
エイミーとクレアにもクィディッチのワールドカップを説明しながらその話で盛り上がり、やがていつもの魔女がワゴンを押してきたため、たくさん買った。
『私、お手洗いに行ってくるわね』
お昼を食べ終わり、私は3人に告げる。
「ちゃんと帰ってくるのよ?」
クレアは、2年生のときにお手洗いに行ったっきり、駅に着くまで帰ってこなかったことを言っているのだろう。
『わかってるわ』
笑って返事をして、コンパートメントを出た。
「ユウミ」
お手洗いの帰りに、コンパートメントから手招きをされる。
『ハーマイオニー。ハリーもロンも!』
手招きをしていたのはハーマイオニーで、中に入るとハリーとロンがいた。私は空いている席に座らせてもらう。
「ユウミ、聞いた?」
『何を?』
ハリーの問いに首を傾げる。
「ハーマイオニー、マグル学で百点満点の試験に三百二十点でパスしたのに、やめるんだって」
『あら、そうなの?』
ロンの答えに驚いて、私はハーマイオニーをみた。
「えぇ、本当よ。だってまた来年、今年みたいになるのには耐えられないもの。逆転時計、あれ、私、気が狂いそうだった。マグル学と占い学を落とせば、また普通の時間割りになるの。ユウミは?」
『私は、これまでと同じよ。でも、来年からは逆転時計は使わなくても大丈夫だから返したわ』
ハリー、ロンは頷いた。ハーマイオニーだけは、私に疑問をぶつける。
「私、不思議だったのよね。どうしてユウミは、数占いだけ取らないの?」
『単純なことよ。私、あまり数字って得意じゃないの。でも、ハーマイオニーの見て取れば良かったかなって思ったわ』
にっこり笑うと、ハーマイオニーは納得いかなそうにしていたが、何かに気づいたみたいでハリーの肩越しを見ている。