第74章 再び、ふくろう便
『クレア、先に戻っていてくれる?』
「えぇ、わかったわ」
クレアはそのまま歩いていく。私は、自分を呼び止めた人物と向き合う。
『久しぶりね。用は何かしら?』
ちょっと言い方が冷たかったかと思ったら、私を呼び止めた人物であるドラコもそう思ったらしく傷付いた表情をした。
『ごめんなさい、言い方が冷たかったわ』
「いや...大丈夫だ。それより...すまなかった、ユウミ」
ドラコは、拳を握りしめてそう言った。
『私に謝る必要はないわ』
私がそう言うと、ドラコは何を勘違いしたのか悲しそうな表情になってしまった。
「それは...もう僕と話したくないということか...?」
『違うわ。私が勝手に怒っただけだから、あなたが私に謝ることはないわって言いたかったのよ。私も、あのときはカッとして言いすぎちゃったわ、ごめんなさい』
「君に謝ってもらうことはない。本当にすまなかった。...また話してくれるか?」
おそるおそるといった様子でこちらを窺うように見るドラコ。
『もちろんよ』
にっこり笑うと、ドラコは安心したように微笑んだ。
『あのね、ドラコ。私達は、考えが違うからこういう風に喧嘩してしまうこともあると思うの。でも、私はドラコのこと好きよ。大切な幼馴染だもの』
ドラコは複雑そうな表情をしてから、こう言う。
「僕も、君のことを大切に思っている」
『ありがとう、ドラコ』
近づいた私がハグをすると、ドラコも優しく抱き締め返してくれた。ドラコとは、この数ヶ月間を埋めるようにたくさん話してから別れた。
「仲直りしたの?」
『そうよ』
微笑むと、自分のことのように嬉しそうな顔をしたクレア。そのあと部屋に戻ってきた、ミアとエイミーも嬉しそうに笑ってくれた。
そして、学期の最後の日に、試験の結果が発表された。私、クレア、ミア、エイミーは全科目合格だった。ハリーとロンとハーマイオニーもだ。パーシーは、N・E・W・T試験で一番の成績だったし、フレッドとジョージはそれぞれ、O・W・L試験でかなりの科目をスレスレでパスしていた。
一方グリフィンドール寮は、おもにクィディッチ優勝戦の目覚ましい成績のお陰で、3年連続で寮杯を獲得。クレア達とハグをして喜んだ。学期末の宴会は、グリフィンドール色の真紅と金色の飾りに彩られ、みんながお祝い気分で盛り上がった。