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愛される少女【HP】

第12章 飛行訓練


今日は飛行訓練の日である。先週に掲示板に紙が張り出されており、スリザリンと合同とのことでほとんどの人が憂鬱になっていた。いつものメンバーと大広間に向かい、グリフィンドールの席に着く。

『ハリー、ロンおはよう。ハリー元気ないわね?』

隣の席に座っていた2人に挨拶をすると、ハリーが浮かない顔をしていた。

「僕、箒に乗ったことないんだ。きっと上手く乗れなくてマルフォイに馬鹿にされるんだ。」

『そんなことないわ。あなたはきっと上手いわ。だから心配しないで?それに不安そうにしていると箒に伝わってしまって、なお上手くいかないわ』

とても落ち込んでいるようなので、元気付けようと言うと不思議そうにこちらを見た。

「ユウミは乗ったことあるの?」

『えぇ、あるわよ。楽しかったのだけど両親に止められてしまったから、少しだけどね』

私は小さい頃に箒に乗ったことがあるのだ。お父さまとお母さまとディニーに見守られながらだが。みんなとても不安そうにしていたが、私が楽しそうに乗っているのを見て喜んでくれた。しかし、私たちの心臓がもたないからと言ってあまり乗らせてもらえなくなったのだ。

「そうなんだ、いいなぁ」

ハリーはとても羨ましそうな顔をしてからご飯に戻っていったが、先程よりは元気になったようで安心した。少し先の席では、ハーマイオニーが'クディッチ今昔'を読んで手にいれたコツを話していた。それをネビルだけが真剣に聞いていた。そのときふくろう便が届き、ミーアが私の方に向かってきていた。

『あら、ミーア?』

お父さまとお母さまから届いた手紙の返事をまだ書いていなかったので、どうしたのかと思うと私の肩に乗りすりすりしてホーと鳴いた。

『私に会いに来てくれたのね?ありがとう』

その通りと言うように鳴いたミーアを撫でていると突然隣に座っていたハリーとロンが立ち上がった。驚いてそちらを見上げると、ドラコがクラッブとゴイルと共にいてなにか険悪なムードだった。

『あらドラコ、どうしたの?』

これはあの場面だなと思って、白々しくドラコに話しかけると隣にいたロンが私に言いつける。

「マルフォイがネビルの思いだし玉を取ったんだ」

ドラコはロンを睨みつけると、借りただけだと言い私に挨拶をすると行ってしまった。

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