第11章 梟小屋と夕食
ネビルが去っていくと、隣にいたエイミーが口を開いた。
「ユウミは、優しいね〜。私なら庇ったり出来ないよ〜」
『そんなことないわ。体が動いちゃっただけよ。さぁ食べましょう?』
エイミーがそういったが、私は全くそうは思っていなかった。この出来事を知っていたはずなのに、上手く行動出来なかった自分にムカついていた。なんで忘れていたんだろう、と。そう考えていた私を、3人が心配そうに見ていたとは気づかなかった。
『お腹いっぱい、食べすぎちゃったわ』
お腹を擦りながらそう言うと、3人も同意したように頷いてくれた。夕食が終わったあとは、私は行きたいところがあったので3人とはそこで別れた。私は地下に向かい、ある部屋と向き合っていた。
『グリフィンドール1年の、ユウミ・マーレイです。先生、いらっしゃいますか?』
その部屋に向かってノックを3回してから言うと、ゆっくりとドアが開いたので中に入りドアを閉めた。
『スネイプ先生、今日は授業を中断させてしまってすみませんでした』
そう、ここはセブルスの研究室であった。授業を邪魔してしまったので謝ろうと来たのだった。頭を深く下げて待っていると
「とりあえず、頭をあげなさい」
そう聞こえたので頭を上げると、セブルスは穏やかな顔をしていた。
「あれは、ロングボトムのミスだ。なにも君が気にすることはない。マダム・ポンフリーから聞いたが、もう大丈夫なんだな?」
『ありがとう、セブルス。えぇもうバッチリよ』
怒ってないみたいなのでほっと胸を撫で下ろし、笑顔を浮かべお礼と大丈夫だと伝えた。そこからはセブルスが紅茶を淹れてくれた。
『セブルスの淹れる紅茶は、いつ飲んでもとてもおいしいわね。私もいつか淹れられるかしら?』
「君なら淹れられるようになるだろう」
『そうなったら嬉しいわ。あ、セブルス…』
2人で穏やかに紅茶を飲みながら言葉を交わし、楽しい一時が過ごせた。
『セブルス、紅茶ありがとう!また来てもいいかしら?』
「ほどほどならかまわない」
その答えににっこり笑って、セブルスの研究室から出て寮に戻った。まだ誰もいなかったので寝る支度をして、一足お先に眠りについた。