第74章 再び、ふくろう便
それからまた話をして、話が途切れた時にセドリックが神妙な面持ちで話を切り出した。
「ねぇ、ユウミ。ユウミは、ウィーズリーと仲いいの?...もしかして、どちらかと付き合ってる?」
『ウィーズリー?あ、フレッドとジョージのこと?』
頷いたセドリック。
『フレッドとジョージとは、幼馴染なの。二人だけでなく、ウィーズリー家とね。だから、仲はいいと思ってる。でも、付き合ってはないわ』
「そっか」
セドリックは、安心したように呟いた。セドリックとはそこからいろいろ話して、就寝時間が近づいてきたため図書館を出た。
「送っていくよ、ユウミ」
『大丈夫よ、セドリック。だって、もうシリウス...ブラックはいないもの』
私は微笑んだ。
「だめ」
『え?』
「ユウミのこと、心配なんだ。時間も遅いし、だから送らせて」
真剣な表情でそう言ったセドリックに、私は少し驚く。セドリックはいつも私の意見を尊重してくれていたから。でも、セドリックとの距離がぐっと近づいたのだと実感出来て、私は嬉しく思った。
『じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ』
セドリックに寮の近くまで送ってもらい、そこで別れた。
「もう、残念だわ...」
『どうしたの?』
ある日、部屋で突然呟いたクレア。
「ルーピン先生。辞めてしまったなんてとても残念だわ」
「でも...狼人間だったのよ?残念だけど、今の魔法界じゃ仕方ないことだわ...もちろん私に偏見はないし、ルーピン先生は素晴らしい先生だったと思うけれど」
ミアはそう言う。ミアの言うことは最もだ。今の魔法界で、狼人間は肩身が狭い思いをしている。
「残念だね〜今までの闇の魔法に対する防衛術の先生の中で〜一番楽しかったよ〜」
ルーピン先生がいなくなってがっかりしたのは私達だけではなかった。
「来年は、いったい誰が来るんだろう?」
そう言ったシェーマスは落ち込んでいた。
「'バンパイア(吸血鬼)'じゃないかな」
ディーンが、期待を込めて言う。このように、闇の魔法に対する防衛術で、ルーピン先生の授業を受けていた生徒は、ルーピン先生が辞めたことで惨めな気持ちになっていたのだ。
「...ユウミ」
クレアと廊下を歩いていた私は、自分を呼ぶ声に振り向いた。クレアは、その人物を見て私の様子を伺う。