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愛される少女【HP】

第72章 逆転時計


「その通りよ!事情が理解できないでしょうし、自分自身を襲うことも有り得るわ!わからないの?マクゴナガル先生が教えてくださったの。魔法使いが時間に手を出したとき、どんなに恐ろしいことが起こったか...何人もの魔法使いが、ミスを犯して、過去や未来の自分自身を殺してしまったのよ!」

「わかったよ!ちょっと思い付いただけ。僕、ただ考えて...」

ハーマイオニーは、ハリーを小突いて城の方を指差す。私も遠くの正面玄関を見ると、アルバス、ファッジ、年老いた委員会のメンバー、それに死刑執行人のマクネアが石段を下りて来るところだった。

『ハリー、ハーマイオニー』

そっと二人に私は、声をかける。

「「ユウミ!」」

『しーっ』

大きな声で私の名前を呼んだ二人に静かにするように促すと、ハリーとハーマイオニーは自分の口にハッと手を当てた。

「間もなく私たちが出て来るわよ!」

ハグリッドの小屋の方を見ていたハーマイオニーが声をひそめて言った。まさにそのあと、ハグリッドの小屋の裏口が開き、私は、自分自身とハリーとロンとハーマイオニーがハグリッドと一緒に出て来る姿を見た。

「大丈夫だ、ビーキー。大丈夫だぞ...」

ハグリッドがバックビークに話し掛けている。それから、私と、ハリー、ロン、ハーマイオニーに向かい合った。残ると言うハリー達をハグリッドが行くようにと促している。私が見ていると、かぼちゃ畑のところにいるハーマイオニーが、透明マントを私とハリーとロンに被せた。

「急ぐんだ。聞くんじゃねえぞ...」

ハグリッドの小屋の戸口を叩く音がした。死刑執行人の一行が到着したのだ。ハグリッドは振り返り、裏戸を半開きにしたまま小屋の中に入って行く。小屋の周囲の草むらのところどころが踏み付けられる音と、4組の足音が遠退いて行く音を聴いた。

自分と、ハリーとロンと、ハーマイオニーは行ってしまう...しかし、木々の陰に隠れているほうの私とハリーとハーマイオニーは、半開きの裏戸を通して小屋の中で起こっていることの物音を、聴くことが出来た。

「獣はどこだ?」

マクネアの冷たい声が言う。

「外...外にいる」

かすれた声で言ったハグリッド。マクネアの顔が、ハグリッドの小屋の窓から覗き、バックビークのほうをじっと見たので、私は見えないように頭を引っ込める。2人も同じ事をした。

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