第71章 私達の秘密
「僕、興奮してません。何があったのか、2人に伝えようとしてるんです。僕の言うことを聞いてくれさえしたら...」
しかし、マダム・ポンフリーは突然大きなチョコレートの塊りをハリーの口に押し込んだ。マダム・ポンフリーは、咽せ込んでいるあいだに、間髪を入れずハリーをベッドに押し戻した。
「さあ、大臣、お願いです。この子たちは手当てが必要です。どうか、出て行ってください...」
再び、ドアが開く。今度は、アルバスだった。ハリーは、チョコレートをやっとのことで飲み込んでからまた立ち上がった。
「ダンブルドア先生、シリウス・ブラックは...」
「なんてことでしょう!病棟をいったい何だと思っているんですか?校長先生、失礼ですが、どうか...」
マダム・ポンフリーが興奮して言う。
「済まないね、ポピー。だが、わしはMr.ポッターとMs.グレンジャーに話があるんじゃ。たった今、シリウス・ブラックと話をして来たばかりじゃよ」
穏やかに言ったアルバス。
「さぞかし、ポッターに吹き込んだものと同じお伽噺をお聞かせしたことでしょうな?ネズミがなんだとか、ペティグリューが生きているとか」
セブルスが吐き棄てるように言った。
「さよう、ブラックの話はまさにそれじゃ」
アルバスは半月メガネの奥から、セブルスを観察している。
「我輩の証言は、何の重みもないということで?ピーター・ペティグリューは、叫びの屋敷にはいませんでしたぞ。校庭にも影も形もありませんでした」
怒鳴ったセブルス。
「それは、先生が意識を失っていたからです!先生はあとから来たので、お聞きになっていないんです」
セブルスの言葉に反応したハーマイオニーが熱心に言った。
「Ms.グレンジヤー、口出しするな!」
「まあ、まあ、スネイプ。このお嬢さんは、気が動転しているのだから、それを考慮してあげないと」
ファッジ大臣が驚いて宥める。
「わしは、ハリーとハーマイオニーと三人だけで話がしたいのじゃが。コーネリウス、セブルス、ポピー...席を外してくれないかの」
アルバスが突然言った。
「校長先生!この子たちは、治療が必要なんです。休息が必要で」
マダム・ポンフリーが慌てて言う。
「事は急を要する。どうしてもじゃ」
そう言ったアルバス。私は、この後どうしようかと考え事をしていた。