第71章 私達の秘密
「まさか、ハリー達も!」
「はい、閣下。ポッター、ウィーズリー、グレンジャーの3人は、ブラックが無実である可能性があると考えていたようです。3人の行動に責任はありません。しかしながら、3人が余計なことをしたため、ブラックを取り逃がしたことになったのかもしれないわけでありまして。3人は明らかに、自分たちだけでブラックを捕まえようと思ったわけですな。3人は、これまでにもいろいろと掻いくぐって来ていまして。どうも、自分たちの力を過信している節があるようで。それに、もちろん、ポッターの場合、校長が特別扱いで、相当な自由を許してきましたし...」
「ああ、それは、スネイプ...なにしろ、ハリー・ポッターだ...我々はみな、この子に関しては多少甘いところがある」
セブルスはさっきから3人と言っているが、余計なことしたのは私だ。それに私の存在はどこにいってしまったのだろうか。
「しかし、それにしましても、あまりの特別扱いは本人のためにならないのでは?個人的には、他の生徒と同じように扱うよう心掛けております」
セブルスの言葉に、内心ツッコむ。他の生徒と同じではないだろう。
「そこでですが、他の生徒であれば停学でしょうな...少なくとも...友人をあれほどの危険に巻き込んだのですから。閣下、お考えください。校則の全てに違反し...しかも、ポッターを護るために、あれだけの警戒措置が取られたにも関わらずにですぞ。規則を破り、夜間、人狼や殺人者と交わって...それに、ポッターは、規則を犯して、ホグズミードに出入りしていたと信じるに足る証拠を我輩は掴んでおります」
「まあまあ...スネイプ、いずれそのうち、またそのうち...あの子は確かに愚かではあった...一番驚かされたのが、ディメンターの行動だよ...どうして退却したのか、君、本当に思い当たる節はないのかね、スネイプ?」
まさか、想像つくはずがない。
「ありません、閣下。私の意識が戻ったときには、ディメンターは全員、それぞれの持ち場に向かって校門に戻るところでした...」
「不可解だ。しかも、ブラックも、ハリーも、それにあの女の子も...」
「全員、我輩が追い付いたときには意識不明でした。我輩は当然、ブラックを縛り上げ、さるぐつわを噛ませ、担架を作り出して、全員を真っ直ぐ城まで連れて来ました」
会話が途切れた。