第10章 授業2
グリフィンドールの方ではどうみてもみんな不満そうであった。そのあとも着々と授業は続いて、次に2人のペアを作りおできの薬を作ることになった。私は隣にいたエイミーと組み、準備をして作り始めた。予習をしていたこととエイミーも手際よかったので、無事に進んでいた。私はこのあとに起きる出来事を忘れていることに気づくよしもなかった。
セブルスは生徒の薬を見て回っており、ドラコを除きほとんどの生徒が注意を受けていた。私のところに来たときはチラっと見たがなにも言わずに、通りすぎていった。何も言われなかったことに少し落胆する。
「よくできている」
しかし、後ろを通るときに小さな声で褒められたため嬉しかった。
「Mr.マルフォイが完璧に角ナメクジを茹でたので、みんな見るように」
セブルスの言葉に従い、他の生徒と同様にドラコに近づいていった私だったが、ふと見るとネビルが鍋を火からおろさないうちにヤマアラシの針を入れようとしているのが目に入った。
『...だめよ!』
「え?」
叫んで止めようとネビルに近づいていったが遅く、爆発が起きたためネビルを庇うようにしゃがみこんだ。しかし、あまりの痛さに私の意識はなくなっていた。
「キャー!!」
煙が晴れるとそこにはおできが肌の出てる至るところに出ている意識を失ったユウミと痛い痛いとわめくネビルの姿があった。
「馬鹿者!!」
スネイプは怒鳴り、魔法の杖を一振りしてこぼれた薬を取り除いたが、近づいた途端に息を飲んだ。しかし、すぐにハッとするとユウミに近づきそっと抱き上げた。
「我輩はマーレイを医務室に連れていく、他のものは我輩が戻ってくるまで席に座り待っているように。ロングボトム、着いてこい」
スネイプはそれを早口で言うと、足早に医務室に向かった。医務室に着くと、マダム・ポンフリーはまぁ!大変と声をあげたが1つのベッドに寝かせるようにスネイプに言い、ネビルには適当な椅子で待っているように言った。スネイプはユウミを心配そうに見つめたが、授業に戻っていった。戻ったスネイプは、理不尽にもハリーから減点をした。