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愛される少女【HP】

第69章 ムーニー、ワームテール、パッドフット、プロングズ


セブルスは、杖を真っ直ぐルーピン先生の胸に突き付けたまま、透明マントを脇に投げ捨てた。

「暴れ柳の根元でこれを見つけたのでね。ポッター、なかなか役に立ったよ。感謝する...」

少し息を乱してはいたが、勝利の喜びを抑えきれない顔付きのセブルス。

「我輩がどうしてここを知ったのか、諸君は不思議に思っているだろうな?君の部屋に行ったのだよ、ルーピン。今夜、例の薬を飲むのを忘れたようだから、我輩がゴブレットに入れて持って行った。持って行ったのは、まことに幸運だった...我輩にとってだがね。君の机に、何やら地図があってね。一目見ただけで、我輩に必要なことは全てわかった。君がここへの通路を走って行って、姿を消すのを見たのだ」

セブルスの目がギラリと光る。

「セブルス...」

ルーピン先生が何か言い掛けたが、セブルスはかまわず続ける。

「我輩は、校長に繰り返し進言した。君が旧友のブラックを手引きして城に入れているとね。ルーピン、これがいい証拠だ。厚かましくもこんな古い場所を隠れ家に使うとは、さすがの我輩も夢にも思い付かなかった」

「セブルス、君は誤解している。君は、話を全部聞いていないんだ...説明させてくれ...シリウスは、ハリーを殺しに来たのではない...」

ルーピン先生が切羽詰まったように言う。

「今夜、また2人、アズカバン行きが出る。ダンブルドアがどう思うか、見ものだな...ダンブルドアは、君が無害だと信じきっていた。わかるだろうね、ルーピン...飼い馴らされた人狼さん」

そう言ったセブルスの目が、狂気を帯びて光っていた。私は、今ではないと我慢する。

「愚かな。学校時代の恨みで、無実の者をまたアズカバンに送り返すというのかね?」

バーンとセブルスの杖から細い紐が蛇のように噴き出して、ルーピン先生の口、手首、足首に巻き付いた。ルーピン先生はバランスを崩し、床に倒れて、身動きが出来なくなる。怒りの唸り声を上げ、セブルスがシリウスを襲おうとした。しかし、セブルスはブラックの眉間にまっすぐ杖を突き付ける。

「やれるものなら、やるがいい。我輩にきっかけさえくれれば、確実に仕留めてやる」

セブルスが低い声で言った。シリウスは立ち止まる。2人の顔に浮かんだ憎しみは、比べようが無いほど激しいものだ。ハリーは、金縛りにあったかのようにそこに突っ立っている。

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