第69章 ムーニー、ワームテール、パッドフット、プロングズ
「それを思うと、今でもゾッとする。あわや、ということがあった。何回もね。あとになってみんなで笑い話にしたものだ。若かったし、軽率だった...自分たちの才能に酔っていたんだ。もちろん、ダンブルドアの信頼を裏切っているという罪悪感を、私は時折感じていた。他の校長なら決して許さなかっただろうに、ダンブルドアは、私がホグワーツに入学することを許可した。私と周囲の者の両方の安全のために、ダンブルドアが決めたルールを、私が破っているとは、夢にも思わなかっただろう。私のために、3人の学友に非合法のアニマージをさせてしまったことを、ダンブルドアは知らなかった。しかし、みんなで翌月の冒険を計画するたびに、私は都合よく罪の意識を忘れた。そして、私は今でもそのときと変わっていない...」
ルーピン先生は重苦しい声で話し、ルーピン先生の顔はこわばり、声には自己嫌悪の響きがあった。
「この一年というもの、私は、シリウスがアニメーガスだとダンブルドアに告げるべきかどうか迷い、心の中でためらう自分と闘ってきた。しかし、告げはしなかった。なぜかって?それは、私が臆病者だからだ。告げれば、学生時代に、ダンブルドアの信頼を裏切っていたと認めることになり、私が他の者を引き込んだと認めることになる...ダンブルドアの信頼が、私にとっては全てだったのに。ダンブルドアは、少年の私をホグワーツに入れてくださったし、大人になっても、全ての社会から締め出され、正体が正体なので、まともな仕事にも就けない私に、職場を与えてくださった。だから、私はシリウスが学校に入り込むのに、ヴォルデモートから学んだ闇の魔術を使っているに違いないと思いたかったし、アニメーガスであることは、それとは何の関わりもないと自分に言い聞かせていた。だから、ある意味ではスネイプの言うことが正しかったわけだ」
「スネイプだって?スネイプが何の関係がある?」
シリウスが鋭く言う。はじめてスキャバーズから目を離し、ルーピン先生を見上げた。
「シリウス、スネイプがここにいるんだ。あいつもここで教えているんだ」
重苦しく言ったルーピン先生。ルーピン先生は、ハリー、ロン、ハーマイオニー、私を見た。
「スネイプ先生は、私たちと同期なんだ。私が、闇の魔法の防衛術の教職に就くことに、彼は強硬に反対した」