第66章 トレローニー先生の予言
「ロン、あなたのお父さま、魔法省で働いてるんでしょ?お父さまの上司に向かって、そんなこと言えないわよ!ハグリッドが、今度は冷静になってちゃんと弁護しさえすれば、バックビークを処刑できるはずないじゃない」
ハーマイオニーはそう言いながらも、自分も相当まいっているような様子だ。ハーマイオニー自身、自分の言っていることを信じてはいないということがわかる。
私は、ハリー達と別れてクレア達のところへ行った。周囲では、みんなが昼食を食べながら、午後には試験が全部終わるということを楽しみに、興奮してはしゃいでいる。私は、ボガートのこととハグリッドとバックビークのことが心配で、とてもはしゃぐ気にはなれなかった。
そして午後、私は占い学の試験を受けるためにエイミーと一緒に8階まで上がる。トレローニー先生の教室に上がる螺旋階段には他の生徒が大勢腰掛け、最後の詰め込みをしていた。
「ひとりひとり試験するんだって」
ハリー達の隣に座っていたネビルの声が聞こえてくる。
『ひとりひとり試験するみたいね』
「うん。でも私、水晶玉に見えたことないよ〜」
『私もよ』
教室の外で待つ列は、なかなか短くならない。銀色の梯子をひとりひとり降りて来るたびに、待っている生徒が小声で尋ねる。
「先生になんて聞かれた?大したことなかった?」
しかし、全員が答えを拒否した。
「もし、それを君たちにしゃべったら、僕、ひどい事故に遭うって、トレローニー先生が水晶玉にそう出てるって言うんだ!」
梯子を下り、順番が進んで踊り場の所まで来ていたハリーとロンのほうに行き、甲高い声でそう言ったネビル。
「勝手なもんだよな。ハーマイオニーが、正しかったような気がしてきたよ。まったく古い手口だ」
ロンが鼻を鳴らして言った。
「まったくだ」
そう言ったハリー。それから、エイミーが呼ばれる。程なくして降りてきたエイミー。
「何にも見えなかったから適当に言った〜」
『私もそうするわ』
エイミーに先に戻るように伝えた。パーバティが、誇らしげに顔を輝かせて梯子を降りて来て、ハリーとロンにそう告げる。
「私、本物の占い師としての素質をすべて備えてるんですって。私、いろんなものが見えたわ...じゃ、頑張ってね!」
パーバティは螺旋階段を降り、急いでラベンダーのほうに行った。そして、私の番がくる。