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愛される少女【HP】

第66章 トレローニー先生の予言


「そんなこと、させるか!僕、あいつのために長いこと資料を探したんだ。それを全部無視するなんて、そんなことさせるか!」

ロンが叫んだ。しかし、危険生物処理委員会がルシウスさんの言いなりなら、もう意思を固めたのではないかと私は内心思う。クィディッチ優勝戦で、グリフィンドールが勝って以来、ドラコは目に見えるところでは大人しくしていたが、ここ数日は、昔の威張りくさった態度をやや取り戻したようだった。

バックビークは、必ず殺されると自信たっぷりで、自分がそのように仕向けたことが愉快でたまらないとドラコが嘲けっていたということを、私はハリーから聞いたのだ。

そして、最悪なのは、ハグリッドを訪ねる時間もチャンスもないことだった。厳重な警戒態勢はまだ解かれていなかったからだ。それにハリーの透明マントは、隻眼の魔女像の下に置きっぱなしだったはずだ。

「そういえば、ユウミ。マルフォイと話したの?」

「あぁ、レイブンクロー戦終わった後に話したくないって言ってたわね」

ハリーが問いかけ、それにハーマイオニーが思い出したように言う。

『話してないわ。私から話しかけようと思っていたんだけど、それはやめたの。バックビークのこともあるから』

「私、知ってるわ。マルフォイ、レイブンクロー戦終わってからチラチラユウミのこと見てるわよね。たぶん、話しかけたいけど話しかけられないんだわ」

私は、ハーマイオニーの言葉に肩を竦める。ドラコからの視線には気づいてたからだ。タイミングがなかっただけで私から話しかけようとは思っていた。でも、ハリーからバックビークのことで嘲っていたと聞いて自分から話しかけるのはやめたのだ。ドラコから話しかけられたら普通に話すつもりではいるが。

「ふん。僕は、あんなやつと仲のいいユウミの気がしれないね」

今まで黙っていたロンが機嫌悪そうにそう言う。

『人間だもの。誰しもいいところと悪いところがあるわ。ドラコにもたくさんのいいところがあるのよ。まぁ、ハリー達といるとドラコのいいところは見れないけどね』

ロンはまた鼻をならしたが、それ以上何かを言うことはなかった。試験がはじまり、週明けの城は異様な静けさに包まれている。月曜日の昼食時、3年生は変身術の教室から、血の気も失せた状態で出て来た。課題は、ティーポットを陸亀に変えるというものだ。

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