第65章 クィディッチ優勝戦
「やっつけたぞ、ハリー。おまえさんがやつらをやっつけた!バックビークに早く教えてやらねえと!」
その声にそちらを見ると、ハグリッドの姿があった。真紅のバラ飾りを身体中に付けている。パーシーも、いつもの尊大ぶりを忘れて、狂ったように飛び跳ねていた。
ミネルバは、オリバー顔負けの大泣きで、巨大なグリフィンドールの寮旗で目を拭っている。肩車でスタンドのほうに運ばれて行くハリー達選手。その先では、アルバスが大きなクィディッチ優勝杯を持って待っている。オリバーがしゃくりあげながら優勝杯をハリーに渡し、ハリーがそれを天高く掲げた。
「「ユウミ!」」
大騒ぎの中、選手であるフレッドとジョージがこちらに駆け寄ってくる。そして、二人は私を抱き締めた。
「「やったぜ、俺達、優勝だ!」」
離れた二人に微笑み、私はフレッドとジョージに屈んでもらって頬にキスを落とす。
『おめでとう!フレッド、ジョージ!最高だったわ!とってもかっこよかったわ!』
満面の笑みを浮かべた私に、二人は自分の頬を押さえて顔を見合わせてから叫んだ。
「いつもは俺達が頼まないとしてくれないのに!」
「なんてことだ!」
「「最高だ!!」」
大袈裟な二人にくすくす笑う。フレッドとジョージは私の頭に手をおいてポンポンとしてから、騒ぎに戻っていく。私は、ハリーが騒ぎを抜けてロンとハーマイオニーと話しているのを見てそちらに向かう。
「ハリー、君、最高だよ!」
「ハリー、おめでとう!」
ハリーに声をかけるロンとハーマイオニーの声が聞こえてきた。
『ハリー!おめでとう!』
私が叫ぶとハリーはこちらを見て、とっても嬉しそうに幸せそうに笑う。私はそのまま、ハリーとハグをした。
『かっこよかったわ、ハリー』
頬を赤らめたハリーにくすっと笑って、私はクレア達の元に戻る。そのあと、オリバーやアンジェリーナ達にも運よく会うことが出来、お祝いの言葉をかけた。
「最高の気分だわ!」
「本当にね!今なら、なんでも出来る気がするわ!」
『ふふ、じゃあ試験勉強が捗るわね』
興奮して話しているミアとクレアの言葉に、笑いながら声をかけると3人は振り向く。
「もう、ユウミ!それは別よ!」
4人で顔を見合わせて、ミアが吹き出したのをきっかけにみんなで大笑いして、最高の1日が過ぎていった。