第65章 クィディッチ優勝戦
ハリーは、ボールとデリックが棍棒を振り上げ、自分めがけて飛んで来ているのを見て、ぎりぎりのところで、ファイアボルトを上に向けた。ボールとデリックがいやな音を立てて正面衝突する。
「ハッハーだ!」
リーが叫ぶと、スリザリンのビーター2人が、頭を抱えてフラフラと離れた。
「二人とも気の毒に!ファイアボルトに勝てるもんか。出直せ!さて、またまたグリフィンドールの攻撃です。ジョンソンがクァッフルを手にしています。フリントがマークしています...アンジェリーナ、やつの目を突っ付いてやれ!...あ、ほんの冗談です、先生。冗談ですよ。ああ、ダメだ、フリントが攻撃に移りました。フリント、ゴールめがけて飛びます。それっ、ウッド、ブロックしろ!」
しかし、フリントが得点し、スリザリン側から大きな歓声が巻き起こる。リーがさんざん悪態をついたので、ミネルバは中継のマイクをリーからひったくろうとした。
「すみません、先生。すみません!二度と言いませんから!さて、グリフィンドール、三十対十でリードです。グリフィンドール側の攻撃です...」
試合は、私が今まで見てきた中で最悪の試合となった。グリフィンドールが早々とリードを奪ったことで怒りをあらわにしたスリザリンチームは、たちまち、クァッフルを奪うためには手段を選ばない戦法に出たのだ。
スリザリンチームのボールは、アリシアを棍棒で殴り、'ブラッジャーと間違えた'と言い逃れようとした。仕返しに、ジョージがボールの横っ面に肘鉄を喰らわせた。マダム・フーチは、両チームからペナルティーを取ったが、オリバーの2度目の素晴らしい活躍で、スコアは四十対十となり、グリフィンドールのリード。
「もう、怖くて見てられないわ」
「そうだね〜」
『怪我しないといいんだけど...』
私は選手を心配しながら、見る。ケイティが得点した。五十対十。スリザリンが得点の仕返しをしかねないと思ったフレッドとジョージが棍棒を振り上げてケイティのまわりを飛び廻る。
ボールとデリックが、双子のいない隙を突いて、ブラッジャーでオリバーを狙い撃ちした。2個とも続けてウッドの腹に命中し、ウッドは前かがみになって宙返りし、辛うじて箒にしがみつく。
「クァッフルがゴール区域に入っていないのに、キーパーを襲うとは何事ですか!ペナルティー・スロー!グリフィンドール!」