第65章 クィディッチ優勝戦

「グリフィンドール、相手のチェイサーに不意打ちを仕掛けたペナルティー！スリザリン、相手のチェイサーに故意にダメージを与えたペナルティー！」

「そりゃ、ないぜ。先生！」

フレッドが喚いたが、マダム・フーチはホイッスルを鳴らし、アリシアがペナルティー・スローのために前に出る。

「行け！アリシア！」

競技場がいっせいに沈黙に覆われる中、リーが叫んだ。

「やった！キーパーを破りました！二十対○、グリフィンドールのリード！」

今度は、まだ鼻血を出しながら、フリントがスリザリン側のペナルティー・スローのために前に飛び出した。オリバーは、グリフィンドールのゴールの前に構え、歯を喰いしばる。

「なんてったって、ウッドは素晴らしいキーパーであります！素晴らしいのです！このキーパーを破るのは難しいことです...間違いなく難しい...やったー！見事です！ゴールを守りました！」

フリントが、マダム・フーチのホイッスルを待つあいだ、リーが観衆に語り掛けた。そして、オリバーがゴールを守った。

「グリフィンドールの攻撃、いや、スリザリンの攻撃、いや...グリフィンドールがまたもや攻撃に転じました。ケイティ・ベルです。グリフィンドールのケイティ・ベルがクァッフルを取りました。フィールドを矢のように飛んでいます......あいつめ、わざとやりやがった！」

スリザリンのチェイサー、モンタギューがケイティの前方に廻り込み、クァッフルを奪うかわりにケィティの頭をむんずと掴んだのだ。ケイティは空中でもんどり打ったが、なんとか箒からは落ちずに済む。

しかし、クァッフルは取り落としてしまった。マダム・フーチのホイッスルがまた鳴り響き、先生が下からモンタギューのほうに飛び上がって叱り付ける。1分後、ケイティがスリザリンのキーパーを破ってペナルティ・ゴールを決めた。

「三十対○！ざまあ見ろ、汚い手を使いやがって。卑怯者...」

「ジョーダン、公平中立な解説ができないなら...！」

「先生、ありのまま言ってるだけです！」

リーとミネルバの声を聞きながら、試合を見続ける。ブラッジャーが、ハリーの右耳をかすめて飛んで行った。スリザリンの大きな身体のビーター、デリックが打った球のようだ。次の瞬間、もう一個のブラッジャーが、ハリーの肘をかすめた。もう一人のビーター、ボールがハリーに迫る。