第65章 クィディッチ優勝戦
「ポッター、ベル、ジョンソン、スピネット、ウィーズリー。ウィーズリーとウッド。ホグワーツに何年かに一度出るか出ないかの、ベストチームと広く認められています」
リーの解説は、スリザリン側からの、嵐のようなブーイングで掻き消される。
「そして、こちらはスリザリンチーム。率いるはキャプテンのフリント。メンバーを多少入れ替えたようです。技術より身体の大きさを狙ったものかと...」
スリザリンから、またブーイングが起こった。しかし、リーの言うとおりだろう。スリザリンチームでは、どう見てもドラコが一番小さく...あとは巨大な猛者ばかりだった。
「キャプテン、握手して!」
マダム・フーチが合図をする。フリントとオリバーが歩み寄って互いの手をきつく握り締めた。まるで互いの指をへし折ろうとしているかのようだ。
「箒に乗って!さーん...にー...いちっ...」
14本の箒がいっせいに飛び上がり、ホイッスルの音は歓声で掻き消された。
「さあ、グリフィンドールの攻撃です。グリフィンドールのアリシア・スピネット選手、クァッフルを取り、ゴールに向かってまっしぐら。いいぞ、アリシア!アーッと、駄目か...クァッフルが、ワリントンに奪われました。スリザリンのワリントン、猛烈な勢いでフィールドを飛んで行きます...ガッツン!ジョージ・ウイーズリーの素晴らしいブラッジャー打ちで、ワリントン選手、クァッフルを奪われました。 奪ったのは...ジョンソン選手です。グリフィンドール、再び攻撃です。行け、アンジェリーナ...モンタギュー選手をうまくかわしました...アンジェリーナ、ブラッジャーだ。かわせ!ゴール!十対○、グリフィンドール得点!」
アンジェリーナが、フィールドの端からぐるりと旋回しながら、拳を突き上げた。周りから大きな歓声が上げる。
「あ痛っ!」
マーカス・フリントが、アンジェリーナに体当たりをしたので、アンジェリーナが危うく箒から落ちそうになったのだ。
「悪かった!悪いな、見えなかった!」
フリントが言うと、観客からのブーイングが起こった。次の瞬間、フレッドがビーターの棍棒をフリントの後頭部に投げ付け、フリントは突んのめって箒の柄にぶつかり、鼻血を出した。
「それまで!」
マダム・フーチが一声叫び、二人のあいだに飛び込んだ。