第65章 クィディッチ優勝戦
「よっしゃー!」
「気合い、入った!」
「ユウミからハグもらったんだ!」
「「勝つに決まってるぜ!」」
二人は嬉々としてそう言った。
「あら、じゃあ私もしてもらおうかしら」
「おう、してもらえよ」
アンジェリーナがぽつりと言い、それにフレッドがニカッとして言ったためアンジェリーナともハグをした。それなら私も、とアリシアとケイティともすることになる。ハグをし終わり、3人に応援の言葉をかけると優しく微笑んで、もちろん、勝つわ!と頼もしい返事をくれた。
「後、ウッドだけだぞー!」
「どうするんだー!」
フレッドとジョージが問いかけると、ずかずかとやってきたオリバー。
「絶対に勝つ!頼む、ユウミ」
『えぇ、もちろん』
最後にオリバーともハグをして、このなんともおかしいハグ会?は終わったのだった。これを見ていたうちの一人が、嫉妬と羨望の混じった目で見ていたとは誰も気づくことはなかった。
「ユウミ、すごかったわね」
クレアが笑ってそういい、ミアとエイミーもおかしそうに笑っている。
『えぇ。どうしてあぁなったのか、わからないわ』
私もくすっと笑って答えた。オリバーは、他のグリフィンドール生がまだ誰も食べ終わらない状態のときに、状況を掴んでおくために競技場に行け、と選手を急がせる。選手が大広間を出て行くとき、またみんなが拍手をした。
「ハリー、頑張ってね!」
チョウ・チャンが呼び掛けた。そのため、顔を赤くしたハリー。
「みんな、そろそろ行きましょう!」
ミアの声に私達は頷き、クィディッチ競技場に向かう。観衆の4分の3は真紅のバラ飾りを胸に付け、グリフィンドールのシンボルのライオンを描いた真紅の旗を振るか、'行け!グリフィンドール!'とか'ライオンに優勝杯を!'などと書かれた横断幕を打ち振っていた。
スリザリンのゴールポストの後ろでは、200人位の観衆が緑の上着を着てスリザリンの旗に、シンボルの銀色の蛇をきらめかせている。セブルスは、1番前列に陣取り、みんなと同じ緑色の服を着て、暗い笑みを漂わせていた。みんながそわそわと落ち着かないなかあっという間に時が過ぎ、怒涛のような歓声の中、選手がグラウンドに出てくる。
「さあ、グリフィンドールの登場です!」
いつものように、解説役のリーの声が響いた。