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愛される少女【HP】

第64章 ハーマイオニーの怒り


クィディッチ優勝戦が刻々と近付いて来ていた。それより先にきたイースター休暇。しかし、のんびりというわけにはいかなかった。3年生は、かつてないほどの宿題を出されたのだ。ネビルは、とても神経過敏になっていて、他の生徒も似たりよったりの状態だった。

「これが休暇だってのかい!試験はまだずーっと先だってのに、先生方は何を考えてるんだ?」

ある昼下がり、シェーマスが談話室で吼えた。それでも、ハーマイオニーほど抱え込んだ生徒はいなかった。占い学はやめたものの、ハーマイオニーは誰よりもたくさんの科目を取っていたのだ。

夜は談話室に最後まで粘っていて、朝は誰よりも早く図書館に行っていた。目の下にルーピン先生のような隈が出来て、いつ見ても、いまにも泣き出しそうな雰囲気を持っていた。

「ねぇ、ユウミ?」

『どうしたの、ハリー?』

そんななか、談話室でハリーに話しかけられる。

「ハーマイオニーは、占い学をやめたからユウミと一緒の科目数のはずでしょ?」

『そうね。それがどうかしたの?』

私は、ハリーの言いたいことがわからず首を傾げる。

「だって、どうしてそんなに余裕があるの?」

『あぁ、そういうことね。私は、ハーマイオニー程真面目じゃないのよ。だから、全部自分一人でやらないからだと思うわ』

にっこり微笑むと、ハリーは納得したような納得してないような顔になった。ロンは、バックビークの控訴の準備を引き継いで、自分の宿題をやっていない時間には巨大な本に取り組んでいる。

'ヒッポグリフの残忍性に関する研究'などを夢中で読みふけり、クルックシャンクスに当たり散らすことさえ忘れたようだ。一方、ハリーは毎日続くクィディッチの練習に加えて、オリバーとの果てしない作戦会議の合間に、なんとか宿題と取り組まなければならないらしい。ハリー本人から愚痴まじりに聞いたのだ。

「ねぇ、知ってる?」

「何を〜?」

夕食を食べながら、話をしていた私達。ミアの問いかけに、エイミーが聞き返した。

「グリフィンドール対スリザリンの試合よ。イースター休暇明けの最初の土曜日にあるじゃない?」

「それがどうかしたの?」

クレアが問いかけたが、私とエイミーも不思議そうにミアを見る。

「優勝の条件よ!」

「知らないわ。エイミーは?」

「私も〜」

みんなの視線がこちらに向く。

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