第63章 生首事件
『本当よ。スネイプ先生に呼ばれているから行けないわ』
私は、今回はホグズミードに行かないことにした。セブルスに呼ばれているというのは、嘘だ。セブルスには悪いが、理由に使わせてもらった。
「それなら、仕方ないね〜」
「そうね。ハニーデュークスのお菓子をお土産に買ってくるわ」
『ありがとう』
私はクレア達を見送ってから、本当にセブルスのところに行くことにした。ホグズミードに行かなかった理由は、ハリーとロンに会いたくなかったからだ。シリウスがハリーを狙っていることはないから、無事に帰ってくるだろうが。
そういえば、あの地図はどうやってルーピン先生の手に渡ったんだっけ?考えているうちに、セブルスの研究室についた。
『グリフィンドールのユウミ・マーレイです。先生いらっしゃいますか?』
しばらく待っていたが、ドアは開かなかった。
「何をしている?」
『わぁっ!!』
首を捻っていた私は、後ろから聞こえてきた声に驚いて悲鳴をあげる。
『スネイプ先生。びっくりした...』
振り向いた私は、そこにいたのがセブルスでほっと胸を撫で下ろす。少し呆れた顔のセブルスは、つかつかと自分の研究室に入り、私にも入るように言った。そして椅子に座るように勧めてくれたセブルスにお礼を言って、腰かける。
「ホグズミードには行かなかったのか?」
『えぇ。ちょっとね』
行かなかった理由は言わずに、クレア達に行かない言い訳で使ったから本当にきたことを言うと、セブルスは呆れた顔になってしまった。
「...ドラコ」
『ドラコ?』
ポツリと呟いたセブルスに聞き返す。
「落ち込んでいたぞ。君に話したくないと言われたと」
『あぁ。まさかドラコがあんなことをするとは思わなくて。セブルスも知っているでしょう?』
「知っている。ただ、そろそろ許してやれ。反省はしたようだぞ」
私は、少しの間をあけてから返事をした。
『そのつもりよ。でも、なかなか会わないのよね』
セブルスと話していた私は、しばらくして現れた客に驚く。とんでもない勢いであいたドア。びっくりしてドアを見ると、そこにはドラコがいた。
「スネイプ先生!ポ、ポ、ポッター!く、く、首!首が!」
要領を得ない説明に、セブルスは顔をしかめる。
「落ち着きなさい」
ドラコは私に気づいていないようだ。