第62章 グリフィンドール対レイブンクロー
『ロン、ハーマイオニーにも改善した方が良かったところがあるのは確かよ。でも、あんな風に責めるのは違うと思うわ』
私はそれだけ言って、部屋へと戻る。もう、みんなと騒いでいるような気分ではなくなってしまったからだ。
「あああああああああああああアアアアアアァァァァァァっっっッッッッッ!やめてえええええええええええェェェェェ!」
ベッドに潜り込んで、早く眠りについた私は叫び声に目を覚ました。
「何事なの?」
「どうしたの?」
クレアとミアも起きてしまったのか声をあげる。一人、声をあげないエイミーを見るとどうやらぐっすり眠っているようだ。
『わからないわ』
私は答えて、ガウンを羽織りそっと談話室へと降りる。後から、クレアとミアもついてきた。
「なんの騒ぎ?」
「マクゴナガル先生が、寝なさいっておっしゃったでしょう!」
私達と同じようにあの叫び声で目を覚ましてしまった女の子達の何人かがガウンを引っかけ、欠伸をしながら階段を降りていた。男子寮からも何人か出て来ている。
「いいねえ、また続けるのかい?」
陽気に言ったフレッド。
「みんな、寝室に戻るんだ!」
パーシーが、急いで談話室に下りて来た。そう言いながら、首席バッジをパジャマに止め付けている。
「パース...シリウス・ブラックだ!僕たちの寝室に!ナイフを持って!僕、起こされた!」
ロンが弱々しく言った。談話室がシーンとなる。
「馬鹿な!ロン、食べ過ぎたんだろう......悪い夢でも」
パーシーは、とんでもないという顔をした。
「本当なんだ...」
「おやめなさい!まったく、いい加減になさい!」
ミネルバが肖像画の扉をバタンといわせて談話室に入って来ると、怖い顔でみんなを睨み付けた。そして、言葉を続ける。
「グリフィンドールが勝ったのは、私も嬉しいです。でもこれでは、はしゃぎ過ぎです。パーシー、あなたがもっとしっかりしなければ!」
「先生。僕はこんなこと、許可していません。僕は、みんなに寝室に戻るように言っていただけです。弟のロンが悪い夢にうなされて...」
憤然として身体が膨れ上がるかのようなパーシー。
「悪い夢なんかじゃない!先生、僕、目が覚めたら、シリウス・ブラックが、ナイフを持って、僕に覆い被さって立ってたんです」
ロンが叫んだ。ミネルバはロンをじっと見据える。