第62章 グリフィンドール対レイブンクロー
「それは、実はあいつらは...ウム...ディメンターじゃなかったんだ。来て、見てごらん...」
ハリーを人の群れから連れ出し、ルーピン先生はグラウンドの端が見えるところまでハリーを連れて行く。私も不思議に思いながら、それについていった。
「君は、マルフォイ君をずいぶん怖がらせたようだよ」
ルーピン先生が言った言葉に、私は自分の耳を疑う。私が見たのは、ドラコ、クラッブ、ゴイル、それにスリザリンチームのキャプテンのマーカスが、折り重なるようにして地面に転がっているところだった。
頭巾の付いた長くて黒いローブを脱ごうとしてもがいている。ドラコはゴイルに肩車されていたようだった。4人を見下ろすように、激怒した凄まじい形相のミネルバが立っている。
「あさましい悪戯です!グリフィンドールのシーカーに危害を加えようとは、下劣な卑しい行為です!あなたたちを処罰します。さらに、スリザリン寮は50点減点です!このことは、ダンブルドア校長にお話しします。間違いなく!ああ、いらっしゃいました!」
ミネルバは叫んだ。ドラコが、ローブから脱出しようともがき、ゴイルの頭はまだローブに突っ込まれたままだった。
ハリーに近付こうと人混みを掻き分けてやって来たロンとハリーが状況を見て、腹を抱えて笑っている。それを横目に私は、ぐっと拳を握りしめてドラコに近づく。私が近づく頃には、ドラコはローブから脱出出来たようだった。
『なんてことなの!信じられないわ、こんなことするなんて!しばらくあなたと話したくないわ!』
ドラコに向けてそう言った私に、後ろから手が伸びてきて、その手はポンと私の頭にのせられた。
「まぁ、落ち着けよ、ユウミ。グリフィンドールの談話室で、パーティーだぜ!」
ふぅと自分を落ち着かせるようにひとつ息をついてから、私は振り向く。
『呼びに来てくれたのね。ありがとう、ジョージ』
私はドラコを一切見ることなく、その場を後にする。寮では、まるでもうクィディッチ優勝杯を取ったかのようだった。パーティーはそれから1日中、そして夜になっても続いた。
フレッドとジョージは2時間いなくなったかと思うと、両手いっぱいに、バタービールの瓶やら、かぼちゃフィズ、ハニーデュークス店の菓子が詰まった袋などを数個、抱えて戻って来た。