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愛される少女【HP】

第60章 守護霊の呪文


ルーピン先生にお礼を言い、談話室に行く。談話室では、ちょうどタイミングよくハリーがいた。ロンの姿はなく、一人だ。

『ハリー』

「ユウミ!ルーピン先生との話、終わったのかい?」

私に気づいたハリーは、私が座れるようにずれてくれたためお礼を言って座る。

『えぇ。ルーピン先生、お父さまと親しかったみたいでお話聞いてたの』

「そうなんだ、よかったね」

『それでハリー、木曜日にディメンター祓いの訓練する話聞こえてしまってて。それで、ルーピン先生からハリーが良いなら私も来ないかって誘われて...』

私はそこまで話して、窺うようにハリーを見る。ハリーは、すぐに微笑んで答えてくれた。

「ユウミなら、かまわないよ」

『ありがとう!あ、でも私は邪魔しないから大丈夫よ』

キョトンとしているハリー。そんなハリーと、木曜日に一緒に行く約束をしてから部屋へと戻った。


木曜の夜8時。談話室に降りていくと、そこにはもうそわそわした様子のハリーがいた。

『ごめんなさい、ハリー。待たせたわね』

「ううん、大丈夫だよ。早く行こう」

私とハリーは、グリフィンドール塔を抜け出し、魔法史の教室に向かう。着いたときには教室は真っ暗で、誰もいなかった。ハリーが杖でランプを点ける。二人で待っていると、ほんの5分ほどでルーピン先生が現れた。荷造り用の大きな箱を抱えている。それをビンズ先生の机に乗せた。

「何ですか?」

尋ねたハリー。

「また、ボガートだよ。火曜日からずっと城をくまなく探したら、幸い、こいつがフィルチさんの書類棚の中にひそんでいてね。本物のディメンターに一番近いのはこれだ。君を見たら、こいつはディメンターに変身するから、それで練習できるだろう。使わないときは、私の事務室にしまっておけばいい。ボガートの気に入りそうな戸棚が、私の机の下にあるから」

ルーピン先生はマントを脱ぎながら言った。

「はい」

そう言ったハリーは、何の不安もないように見える。ルーピン先生が本物のディメンターのかわりにこんな良いものを見つけてくださって嬉しいですと聞こえるような返事をした。

「さて...ハリー、私がこれから君に教えようと思っている呪文は、非常に高度な魔法だ...いわゆる'標準魔法レベル(O・W・L)'資格をはるかに超える。'守護霊の呪文'と呼ばれるものだ」

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