第59章 炎の雷(ファイアボルト)
『えぇ、私でも同じ事をしたと思うわ。ハーマイオニーはハリーの事を心配してやったんだもの。間違ってないわ』
私が優しくそう言うと、ハーマイオニーは頬を少し緩めてくれた。
「...ねぇ、ユウミ」
ハーマイオニーはおずおずと言いずらそうに言う。
『どうしたの?』
「...スネイプ先生から出されたレポート、結局は出さなかったけれど、やった?」
私はピンと来た。ハーマイオニーが言ってるのは、狼人間のレポートだろう。ハーマイオニーはルーピン先生が狼人間と気づいたのだ。
『えぇ、やったわ。もしかして気づいたのかしら?』
確信があったため、私はそう尋ねた。ハーマイオニーは息をのんでから、こくりと頷く。
『ハーマイオニーも同じ考えだと思うけど、誰にも言うつもりないわ』
「私もよ。でも、ユウミなら気づいてると思って...」
私は俯いたハーマイオニーに笑いかける。そこからもハーマイオニーと話していたのだが、ハーマイオニーはハっとしたように声をあげた。
「そうだわ!聞いて、ユウミ!」
突然の声に驚いた私をそのままに、ハーマイオニーは続けてこう言う。
「バックビークが大変なの!裁判にかけられるのよ!」
バックビークのことに関して詳しく説明してくれたハーマイオニー。私には前世の記憶があるため知ってはいたが、それはおかしいことなのでありがたく聞いた。
『そうなの、大変ね。私も手伝うわ!』
ハーマイオニーにバックビークを弁護するための手伝いをすると約束して、私は部屋へと戻った。