第58章 忍びの地図
学期が終わる2週間前、急に空が明かるくなり眩しいオパールのような乳白色になったかと思うと、次の日の朝、泥んこの校庭がキラキラ光る霜柱に覆われていた。
ホグワーツでは、クリスマス・ムードで満ちあふれている。呪文学のフリットウィック先生は、もう自分の教室にチラチラ瞬くライトを飾り付けていたが、これが実は本物の妖精たちが羽をパタパタさせている光りだ。
『みんなは、クリスマス休暇帰る?』
「帰るわ」
「私も〜。ミアも帰るっていってたよ〜」
私は、部屋にいるクレアとエイミーに問いかけた。ミアは、どこかに行っていて部屋にはいない。
「それにしても、ほとんどみんなが休み中のことを話しているわね」
クレアに頷いて同意する。ほとんどみんなが、休み中の計画を楽しげに語り合っているのだ。そして、学期の最後の週末には、ホグズミード行きが許された。
「ユウミ!」
『あら、ハーマイオニー。どうしたの?』
ホグズミードに行けることがわかった次の日。廊下を歩いていた私は、ハーマイオニーに呼び止められた。
「今度のホグズミード、一緒に行かない?ロンと行くのだけど、女の子とも行きたくて...」
『えぇ、いいわ。一緒に行きましょう』
「ありがとう、ユウミ!ロンにも知らせておくわね!」
ハーマイオニーは満面の笑みを浮かべて走って行ってしまった。部屋へと戻った私は、クレア達3人にハーマイオニー達と行くことを告げる。3人とも笑って頷いてくれた。そして、ホグズミード行きの土曜の朝、マントやスカーフにすっぽりくるまった私は待ち合わせである玄関ホールに向かった。
『ハーマイオニー!ロン!ハリー!お待たせ』
ハーマイオニー達3人がいたところに行く。
「大丈夫よ。私達も今来たところだわ」
ロンも頷いた。ハリーは私達に別れを告げ、大理石の階段を上がり行ってしまった。
「行こうぜ」
ロンの言葉に頷き、私達は歩きだす。しばらくして雪がちらつきはじめてきた。私はここで、ハリーがフレッドとジョージから忍びの地図をもらって来るのが今日だったのではないかと思い出した。
忍びの地図は、学校内の全てが書き込まれていて、しかもどこに誰がいるかまでわかる地図のことだ。それから、色々なお店を回った私達は、ハリーへのお土産を買いにハニーデュークスにやってくる。
『何がいいかしら?』