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愛される少女【HP】

第57章 静かな場所


何かを考えながら言ったハリー。ルーピン先生のカバンが机から滑り落ち、ルーピン先生は素早く屈んでそれを拾い上げる。

「確かに。ブラックは、やつらと闘う方法を見つけたに違いない。そんなことが出来るとは思いもしなかった...長期間、ディメンターと一緒に居たら、魔法使いは力を抜き取られてしまうはずだ...」

「先生は、列車の中であいつを追い払いました」

ハリーが急に思い出したのか言った。

「それは...防衛の方法が無いわけではない。しかし、列車に乗っていたときに私が追い払ったディメンターは一体だけだった。数が多くなればなるほど抵抗することが難しくなる」

「どんな防衛法ですか?教えてくださいませんか?」

もう一度尋ねたハリー。

「ハリー、私は決してディメンターと戦う専門家ではない。それはまったく違う...」

「でも、ディメンターがまたクィディッチの試合に現れたら、僕はやつらと闘うことができないと...」

ルーピン先生は、ハリーの思いつめた顔を見つめ、ちょっと迷った様子で言った。

「そうか...それなら、何とかやってみよう。だが、来学期まで待たないといけないよ。休暇に入る前にやっておかなければならないことが山ほどあってね。まったく私は都合の悪いときに病気になってしまったものだ」

『...あの、先生。私には何のご用ですか?』

二人の話が一段落ついたところで私は、そっと尋ねた。ハリーとルーピン先生は驚いたような顔をしてから、ルーピン先生が言う。

「すまないね、待たせてしまって。お茶の約束をなかなか果たせていなかったから。今ハリーにも言った通り、休暇前は忙しいんだ。だから、休暇の後でもいいかな?」

『はい、もちろんです』

ハリーと一緒にルーピン先生に挨拶をして、教室を出る。

『良かったわね、ハリー』

「うん。僕、頑張るよ」

微笑んだハリー。ルーピン先生のおかげで少し元気を取り戻したみたいだ。さらに、11月の終わりにクィディッチでハッフルパフがレイブンクローに負けたこともあり、ハリーの気持ちは着実に明るくなったようだった。

グリフィンドールは、もう1試合も負けるわけにはいかなかったが、まだ優勝争いから脱落してはいない。初戦の結果により、シャワー室で溺れ死ぬのかというくらい落ち込んでいたオリバーは、再びあの狂ったようなエネルギーを取り戻した。

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