第56章 恐怖の敗北
ちょうど、グリフィンドールのクィディッチの選手が出てきた。フレッドとジョージが私の近くによってくる。
「すごい勢いで怒られてたな!」
ニヤッとしたフレッド。
『本当ね。みんなは、怒られてないのに私だけよ』
「そりゃあ、そうさ。体のことを知っていたらみんなああなる。大丈夫なのか?」
少し拗ねた口調の私に、ジョージが心配そうに尋ねた。
『大丈夫!って言いたいんだけど...』
言葉を濁した私のおでこにジョージは手を置いてから、肩をすくめる。
「なんだ、どうしたんだ、ジョージ?」
フレッドが不思議そうにした。ジョージはフレッドにも自分と同じ事をするようにジェスチャーをする。ジョージと同じように私のおでこに手をおいたフレッド。
「アウトだな!」
「早く行かないと、もっと怒られるぜ」
フレッドとジョージは交互に言い、私の背中を押して医務室の扉の前まで行かせる。
「「見舞いには行くからな!!」」
そしてそう言い残して去っていった。私は、軽く溜め息をついてから医務室へと入る。
「マーレイ、待っていましたよ!さぁ、まずはこっちに来なさい!」
待ち構えていたようなマダム・ポンフリーに、あれよあれよという間にいろいろされる。
『結局、こうなのね...』
ベッドに寝かせられた私は、溜め息をついた。あの雨が原因でやっぱりというかなんというか熱を出した私。マダム・ポンフリーによってすぐに入院することになった。
「いいですか、マーレイ。しっかりと熱が下がるまではここにいてもらいますからね!」
マダム・ポンフリーに向かって大人しく頷いた私は、ハリーの方を見る。とっても落ち込んでいるようだ。それもそのはず、ニンバス2000が暴れ柳にぶつかって壊れてしまったのだから。マダム・ポンフリーに安静にしているように言いつけられたため、安静にしていた私のところへ、ある人物がやってきた。
「入るぞ」
入ってきたのは、セブルスだ。
『もしかして、あの薬?』
私が聞くと、セブルスは無言で頷いてから私に差し出した。あの薬というのは、小さい頃からよく熱を出していた私が決まって飲んでいた甘い薬のことだ。セブルスにお礼を言ってから受け取り、私は飲む。
『あの、セブルス。ごめんなさい。昨日の授業で抜けてしまって…』
私は、頭を下げて謝った。