第54章 ホグズミード
「ロングボトム、あなたのお祖母さまが私に直送なさいました。そのほうが安全だと思われたのでしょう。さあ、それだけです。帰ってよろしい」
全ての授業を終えた私は、一人である場所に向かっていた。
『グリフィンドールのユウミ・マーレイです。先生、いらっしゃいますか?』
ノックをしてからそういった私は、開いたドアから入りドアを閉める。
「ユウミか」
座ったまま、何かの作業を中断してこちらを向いたセブルス。ここは、セブルスの研究室。怪我も治ったので、この前の縮み薬の授業の時に言われた通りに、セブルスのところに来たのだ。
『怪我、無事治ったの』
これだけ言ってセブルスには通じたみたいで、私に座るように椅子を示してくれる。
「私にはまだ治ってないように、見えるが?」
セブルスは、私の腕を見てそう言う。というのも、まだ包帯は巻かれているからだ。
『もう痛みはないのよ。跡がまだあるから、女の子なんだから気になるでしょうって言ってマダム・ポンフリーが巻いてくれたの』
疑わしそうにこちらを見ているセブルスに、私は続けてこう言った。
『この前も、薬作れてたでしょう?だからもう大丈夫なのよ』
セブルスはこの言い分には納得したみたいだ。
「よかろう。これから時間はあるか?」
『えぇ。夕食までなら平気よ』
私の返事によって、今から作ることになった。この前のセドリックとの勉強会で勉強しておいて良かった、と内心ホッと息をつく。
セブルスは、縮み薬に必要なものを全てそろえると、私に出来たら声をかけるように言ってから、椅子に戻っていった。私は、縮み薬のことを頭に浮かべながら慎重かつ素早く作っていく。そして、出来上がったものを見せてOKをもらった。
『上手く出来るか不安だったけど、大丈夫そうね』
「よく出来ている」
微かに微笑んでそう言ってくれたセブルス。
『セブルスが言うなら、安心ね』
「もう、夕食の時間だ。食べ損ねるぞ」
セブルスは、私に向かってそう言う。
『あら、本当だわ!セブルス、時間作ってくれてありがとう』
セブルスが頷いたのを確認してから、私はそこを後にした。大広間に向かう途中で、私はある人物を見つけて声をかける。珍しく、一人だ。
『ドラコ!』
「あぁ、ユウミか」
振り向いたドラコの横に並ぶ。