第54章 ホグズミード
「うん、本当だよ」
『すごいわ!おめでとう』
私は笑みを浮かべて言った。
「ありがとう」
セドリックは少し照れたように微笑む。
『監督生に、クィディッチのキャプテンって本当に忙しくなりそうね。...大丈夫?』
「うん、大丈夫だよ。とてもやりがいがあると思うんだ」
私が心配そうな顔をしているのを、安心させるように力強く言ったセドリック。
『そうね。セドリックなら出来ると思うわ。でも、無理しちゃだめよ?愚痴とかなら聞くわ』
冗談っぽく最後に付け加えた言葉に、セドリックはくすりと笑う。そして、セドリックも悪戯気に笑ってこう言った。
「じゃあ、お願いしようかな」
おかしくなった私達は、顔を合わせてくすくす笑う。私達は笑いが治まってから、また勉強を始めた。
「ユウミ、ユウミ」
『ごめんなさい、気づかなかったわ。どうしたの?』
「就寝時間が近づいてきたから、そろそろ寮に戻った方がいいよ」
セドリックの言葉に驚いて時計を見る。それから私達は、本を片付けたりしてから席を立ち、図書館から出た。
『セドリック、今日はありがとう。とても楽しかったわ。また来週でいいかしら?』
「うん、来週また会おう。僕も楽しかったよ、ありがとう」
セドリックは私に寮の途中まで送ろうかと聞いてくれたが、私はお礼を言って断りそこで別れた。
日ごとに寒く、じめじめした日が増え、夜はますます暗くなってきている。3回目のセドリックとの勉強会を終えた私が、寮に帰ってくると談話室がざわめいていた。
『なにかあったの?』
ちょうど暖炉の近くの特等席に座っていたハリーとハーマイオニーに聞く。
「えぇー、そうね...」
ハーマイオニーは困ったような顔でそう言う。そのハーマイオニーの腕の中には、クルックシャンクスがいた。私はよくわからず、首を傾げてハリーを見る。ハリーは眠そうな顔でこちらもまた困った顔だ。そこで聞かない方がいいとわかった私は、二人におやすみと言って部屋に戻った。
「おかえり、ユウミ」
『ただいま、クレア』
ドアの近くにいたクレアに返事をする。
「掲示板、見た?」
『掲示板?見てないわ、何かあったの?』
ミアがこちらを見て問いかけたので、私は答えた。
「第1回目のホグズミード、週末だって〜。10月末のハロウィーンだよ〜」