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愛される少女【HP】

第53章 まね妖怪


でもすぐにルーピン先生が話始めたため、3人の会話には参加しなかった。

「ボガート退治をするときは、誰かと一緒にいるのが一番いい。向こうが混乱するからね。首のない死体に変身すべきか、人肉を食らうナメクジになるべきか?私はボガートがまさにその過ちを犯したところを一度見たことがある...一度に二人を脅そうとしてね、半身ナメクジに変身したんだ。どうみても、恐ろしいとは言えなかった。ボガートを退散させる呪文は簡単だ。しかし、精神力が必要だ。こいつを本当にやっつけるのは、笑いなんだ。君たちはボガートに、君たちが滑稽だと思える姿を取らせる必要がある。はじめは杖なしで呪文を練習しよう。私に続いて言ってみよう..."リディクラス"!」

『「"リディクラス"!』」

ルーピン先生に続いて、みんな一斉に唱える。

「そうだ。とっても上手だ。でも、ここまでは簡単なんだけどね。呪文だけでは十分じゃないんだ。そこでネビル、君の登場だ」

洋箪笥がまたガタガタ揺れた。しかし、ネビルのほうがもっとガタガタ震えている。

「よーし、ネビル。一つずつ行こうか。君が世界一怖いものはなんだい?」

ネビルの唇が動いたが、言葉となって出てこない。

「うん?ごめんネビル、聞こえなかった」

ルーピン先生は明るく言った。ネビルはまるで誰かに助けを求めるかのように、きょろきょろとあたりを見回し、それからほとんど聞こえない声で囁く。

「スネイプ先生」

傍にいたみんなが笑う。ネビル自身も申し訳なさそうにしながらも笑った。ネビルの声が聞こえたエイミーとミアとクレアも笑っている。しかし、ルーピン先生は真面目な顔をしていた。

「スネイプ先生か...フーム...ネビル、君はお祖母さんと暮らしているね?」

「えー...はい。でも......僕、ボガートがばあちゃんに変身するのもいやです」

不安げに答えたネビル。今度はルーピン先生が微笑んで問いかける。

「いや、いや、そういう意味じゃないんだよ。教えてくれないか。お祖母さんはいつも、どんな服を着ていらっしゃるのかな?」

「えーと...いっつもおんなじ帽子。たかーくて、てっべんにハゲタカの剥製が付いてるの。それに、ながーいドレス...たいてい、緑色...それと、ときどき狐の毛皮の襟巻きをしてる」

ネビルはきょとんとしつつも答えた。

「ハンドバッグは?」

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