第52章 トレバー
「手伝うなと言ったはずだ、Ms.グレンジャー。授業終了」
みんなが出ていく中、私は教室に残る。ドラコがこちらを心配げに見ていたので、アイコンタクトで大丈夫だと伝えた。
「ユウミ、大丈夫?」
『えぇ、大丈夫よ。先に行っていて?』
心配そうに問いかけてくれたクレアとミアとエイミーにも微笑み、教室に残ったのは私とセブルスだ。
「怪我は大丈夫なのか?」
『え?あ、えぇ、大丈夫よ』
突然の問いに、驚いてから答えた私。セブルスはこちらを疑わしげに見る。
『...少し傷が残っているけど、問題ないわ』
セブルスからの視線に負けて、そう言った。そして、言葉を続ける。
『それで、薬はどうしたらいい?まだ、終わりそうにないの』
「...怪我が治ったら、私のところに来なさい。都合のいい時でかまわん」
『ありがとう』
今すぐではなく、怪我を治してからということに優しさを感じて微笑む。昼食の時間だったため、片付けを手早くしてから教室を出て大広間に向かった。
『ありがとう』
大広間に着いた私に、手を振って場所を知らせてくれた3人。近くにいき隣を空けてくれたミアにお礼を述べて座った。
「スネイプ先生、なんだって〜?」
心配そうに聞いてくれたエイミー。
『この怪我が治ったら来るように言われたわ』
「怪我さえ治れば、ユウミなら平気よね」
包帯を見せて言うと、ミアにそう返された。
『どうかしら?ちゃんと勉強してから行くわ』
私は、好きなものを取り食べ始める。
「スネイプ先生〜グリフィンドールには厳しいのに〜ユウミにはそうでもないね〜」
「本当ね!わざわざ時間とってくれるんだもの」
エイミーとミアの視線を感じたが、私はただ困った顔をするだけだった。セブルスは、確かに私には厳しくない。それは、お父さまを通してよくしてもらっていたことが大きいのだろう。私が困っていることに気づいたのか、エイミーが話を変えた。
「後、なんだっけ〜?」
「午後に、闇の魔法に対する防衛術があるだけよ」
エイミーの問いに答えるクレアの声を聞いて、ルーピン先生だと思う。ルーピン先生の授業は、とても楽しみだ。前世の記憶で、とても評判が良かったことを覚えていたからである。