第6章 組分け帽子
マクゴナガル先生に帽子を被せられると、頭の中に帽子の声が響いた。
「ほ〜おぬしはあの二人の子供か。ふむ、人とは変わった記憶もあるようだ。しかしおぬしならどの寮に行っても上手くやっていける。ご両親のグリフィンドールとハッフルパフの血も濃いが、スリザリンでもレイブンクローでも上手くやれるだろう」
組分け帽子に間接的に前世の記憶を持っていることを言われ、さらにはどこでも大丈夫と言われ思わず動揺してしまったが、私の心は決まっていた。
『私はある人達を助けたいんです。だからそれが出来るところがいいです。組分け帽子さんにはわかるでしょう?』
「その道は決して楽ではないかもしれないが、おぬしは色々なものに愛されやすい。だから大丈夫であろう」
組分け帽子に心の中で問いかけると、そう答えが返って来て少し疑問が残りながらも軽く頷くと、組分け帽子は声をあげたのだった。
「グリフィンドール!」
その瞬間、グリフィンドールの席から大きな歓声が響き渡った。マクゴナガル先生が組分け帽子を取ってくれたので席に着こうとすると、マクゴナガル先生が小声で私に言う。
「あとで私の部屋においでなさい」
軽く頷くことで了承をして、グリフィンドールのほうへ向かった。
「「ユウミ、ようこそグリフィンドールへ!!」」
『ありがとう、ジョージ、フレッド!』
よく似た顔とそっくりな声で私のことをあのウィーズリー家の双子が歓迎をしてくれた。それに笑顔を浮かべて答えるとなぜか抱きつかれた。ウィーズリー家とはマルフォイ家と一緒で親が仲がよく、その関係で幼馴染である。双子を離してから先程出来た友達を探してキョロキョロすると、遠くからこちらに手を振っていた。双子に声をかけてから、空いていた隣に腰かけた。
『クレア、同じ寮で嬉しいわ。これからもよろしくね』
「私もよ、ユウミ。こちらこそよろしくね」
二人で笑いあい、次の組分けを見るとあの有名な男の子の番であった。