第6章 組分け帽子
マクゴナガル先生が新入生達に一声かけて大広間に入ると、たくさんの上級生などの視線が新入生達を襲った。しかし私はそれに気づかず、部屋の中なのに見える夜空に夢中になっていた。
『とっても綺麗だわ』
「そうね。こんなの見たことないわ」
クレアも同じく夢中になっていて、言葉を交わすと、どこからかハーマイオニーが天井にかけられた魔法について誰かに話している声が聞こえてきた。
しばらく歩くとマクゴナガル先生が振り向いて、新入生を1列に並ばせた。そしてボロボロの帽子、すなわち組分け帽子を持ってきた。待っている間は緊張しなかった私も、ここに来て徐々に緊張が高まってきた。組分け帽子が恒例の寮についての歌を歌い終わると、いよいよ組分けの儀式が始まる。
「名前をよばれたら、帽子を被って椅子に座りなさい。あとはこの帽子が組分けをしてくれます」
マクゴナガル先生が羊皮紙の長い巻物を手に前に出るとそう言い、名前を呼び始めた。
「アボット・ハンナ!」
名前を呼ばれた子は帽子を被り、ちょっとの間の後、帽子が声を上げた。
「ハッフルパフ!」
ハッフルパフのテーブルから歓声が上がり、その子は足早にハッフルパフのテーブルに進んだ。組分けが進んでいき記憶通りに、ハーマイオニーとロンはグリフィンドールに、ドラコはスリザリンになった。スリザリンのテーブルに向かうさいにドラコがこちらをチラっと見た気がした。
「ウィシャート・クレア!」
先にクレアの名前が呼ばれたのであった。クレアがこちらをチラっと見たので微笑むと軽く頷き、組分け帽子のところに行った。組分け帽子は少し悩んだようだが、クレアがなにかを言うとそれをきっかけに決めたようで声を上げた。
「グリフィンドール!」
グリフィンドールの机がわっと盛り上がった。
「マーレイ・ユウミ!」
そしてついに、私の名前が呼ばれた。マーレイの名前が呼ばれるとざわざわしたが、緊張していた私がそれに気づくことはなかった。緊張のあまりマクゴナガル先生を見ると、安心させるように笑いかけてくれたのでそのまま席に座った。