第50章 茶の葉
「ミアは〜どう思うの〜?」
問いかけたミアは、逆にエイミーに聞き返されて困った顔をした。
「そうね。'グリム'と聞いたら、たいていの魔法使いは、もう生きて行けないと思って震え上がって怯えるわよね。でもわからないわ。私はその場にいなかったから...」
ミアはそう言うと、私を見る。それに続いてエイミーとクレアもこちらを見た。
『ハリーは大丈夫よ。マクゴナガル先生が言っていたこと聞いていたでしょう?さぁ、早く食べちゃいましょう』
みんなはそれに頷いて、他の話題に移っていく。3人が話すのを聞きながら、私は悩んでいた。この後は、'魔法生物飼育学'の授業だ。要するにドラコが怪我をしてしまうのだ。助けるべきか。
でも可哀想だが、バックビークが死刑にならないということはシリウスを助けられないかもしれない。あの塔から助けるには、バックビークの存在は大切だ。ちなみに私は今回、手を出すつもりはない。シリウスには申し訳ないが、下手に手を出してこれからのことがわからなくなるのは困るからだ。
『うーん...』
「何を悩んでいるの?」
『え?』
突然、クレアに問いかけられて驚く。
「声に出ていたよ〜。うーんって〜」
『そうだったのね。でも大したことじゃないわ。どちらを食べようか迷っていただけよ』
私は微笑んで、昼食の続きをする。さぁ、どうしようか。