第50章 茶の葉
翌朝、少し遅めにクレア達と大広間に向かう。グリフィンドールの方を見ると、ハリーとロン,ハーマイオニーとフレッドとジョージが一緒にいるのを見つけた。クレア達と空いているところに腰かける。談笑しながら食べていた私は、後ろから抱きつかれる感覚に手を止めた。
「「ユウミ!!」」
『フレッド、ジョージ!ハリー達のところにいなかった?』
振り向いた私は、問いかけた。
「これを」
「渡すために」
「「きたんだ!」」
フレッドとジョージが出したのを手に取り、見る。
『時間割りだわ。ありがとう、二人とも』
二人は、友達に呼ばれて行ってしまう。
『そうだわ。クレア,ミア,エイミー、私少し忙がしいから一緒に移動したり出来ないと思うの。だから、授業で会いましょう?』
「そう、無理しちゃだめよ」
クレアはそう言い、二人も私に微笑んでくれた。私は、ハーマイオニーと違って1科目少ないからそんなに逆転時計を使うわけではない。でも、やっぱり少しは使わないといけないのだ。
「ユウミ、そろそろ行かないと〜占い学だよ〜」
『そうね。北塔の天辺だから時間がかかるわ』
エイミーから声がかかる。占い学をとっていないクレアとミアに声をかけて私達は早めに大広間を出た。
「遠いね〜」
『本当ね。早く出て...よかったわ...』
急な螺旋階段の最後の数段を上がり切ると、小さな踊り場に出る。他の生徒たちも大部分がそこに集まっていた。踊り場からの出口はどこにもない。
『あそこだわ』
キョロキョロした私は、天井を指差す。そこに、丸い撥ね扉があり、真鍮の表札が付いていた。
『シビル・トレローニー、'占い学'教師。どうやって、あそこに行くのかしら?』
私が読み上げて、首を傾げる。その声に答えるかのように、突然撥ね扉が開き銀色の梯子が下りて来た。みんなシーンとなった。
『...私から行くわ』
私が行き着いたのは、これまで見たことがない奇妙な教室だ。とても教室には見えない。どこかの屋根裏部屋と昔風の紅茶専門店を掛け合わせたような所だった。
小さな丸テーブルがざっと20卓以上、所狭しと並べられ、それぞれのテーブルの周囲には更紗張りの肘掛椅子やふかふかした小さな丸椅子が置かれている。さらに深紅のほの暗い明かりが部屋を満たし、窓という窓のカーテンは閉め切られていた。