第49章 ディメンター
マダム・ポンフリーがハリーの目を覗き込もうとしながら言った。
「もう食べました。ルーピン先生がくださいました」
「そう、本当に?それじゃ、'闇の魔法に対する防衛術'の先生がやっと見つかったということね。治療法を知っている先生が」
満足そうなマダム・ポンフリー。
「ポッター、本当に大丈夫なのですね?」
念を押すようにミネルバが尋ねると、ハリーは頷く。
「マーレイ、あなたは大丈夫ですか?」
ミネルバが今度は私に向かって問う。おそらく、私の体のことを知っているからそれを心配してくれてるのだろう。
『大丈夫です』
微笑んだ私に、ミネルバは頬を少し緩めた。
「いいでしょう。ポッター、Ms.グレンジャーとMs.マーレイとちょっと時間割りの話をする間、外で待っていらっしゃい。それから一緒に宴会に行きましょう」
ハリーとマダム・ポンフリーが外に出る。そこからミネルバは、ハーマイオニーに時間割について説明をし、逆転時計を渡した。あれが逆転時計かと思いながらふと気づく。
『マクゴナガル先生、私はなんでしょうか?』
私はハーマイオニーのように全教科を取ったわけではない。だから何のお話だろうか。
「あなたも全科目ではありませんが、数占い以外は選択したのですから同じように逆転時計を上手く使わないといけません」
『わかりました』
逆転時計を使うことに驚きながらも、ミネルバからの説明をしっかり聞いた。
「では、行きましょう」
ミネルバからの合図で、ハーマイオニーと一緒に外に出る。そして4人で、大広間へと向かう。
「あー組分けを見逃しちゃった!」
大広間に着くと、ハーマイオニーが小声で言った。ミネルバは、教職員テーブルの自分の席へと急ぎ、私はハリーとハーマイオニーと一緒に反対方向のグリフィンドールのテーブルに、できるだけ目立たないように歩いて行く。
しかし、大広間の後ろのほうを私達が通ると周囲の生徒が振り返り、ハリーを指差す生徒も何人かいた。ロンの元へ向かう二人とは別れ、私はクレア達のところに向かう。
『ありがとう』
「いいえ」
席をとっておいてくれたみたいで、空いていたクレアの隣に腰かける。クレア達は、私に何の用事だったのか聞きたそうにしているが、アルバスが挨拶するために立ち上がったため何も聞かずにアルバスの方を向いた。