第48章 再会
ハリーとたくさん話していたが、ハリーの伯父さん達がそろそろ帰ってくるみたいなので電話を切ることにした。喫茶店で待ってくれているお父さまと一緒に家に帰ったのだった。
そして、7月30日の夜。私は、ミーアに配達を頼んだ。
『ハリーのところに、0時に着くように行ける?』
「ホー!」
頼もしく鳴いたミーアを撫でて、プレゼントを持たせるともう一度鳴いて窓から飛び立った。私からのプレゼントは、手作りのケーキと魔法界のお菓子だ。もちろんカードもつけてある。何にするか悩んだのだが、ハリーは満足にご飯をもらっていなかったと記憶しているのでケーキ。お菓子は、マグルの世界で魔法に触れられていなくて寂しいかなと思ったからだ。
「これ、ホグワーツからの手紙かい?」
あれから日にちが経ち、私の机に置いたまま忘れていた手紙を持ちながら、トムが問いかけた。
『そうよ。今年からはホグズミードに行けるの!』
目をキラキラさせてトムに言う。ホグズミードは村全体が魔法の村だ。トムは優しく微笑み、私の頭を撫でた。
「楽しめたらいいね。明日はダイアゴン横丁に行くんだろう?」
『お母さまとね。お父さまはお仕事ですって。トムはどうする?』
首を傾げた私に、トムは少し考える。
「留守番していることにするよ」
『そう?わかったわ』
行くものだと思っていたから、断られて少し不思議だったが疲れているのかと思ってあまり気にしなかった。
次の日の朝、午後から出掛けることになっていたためいつもよりゆっくり起きた私は、新聞を見て眉をよせる。そこには、シリウス・ブラックが載っていた。シリウスの無実を知っている私からすると、複雑だ。
「...シリウスね」
キッチンから戻ってきたお母さまが、私の目線の先を見て呟いた。
『知っているの?』
お母さまの呟いた声に親しみがこめられている気がしてそう問う。
「えぇ。お父さまの後輩よ」
そこで私は気づく。お父さまはグリフィンドールで、シリウスより3つ年上。接点があってもおかしくない。それに私がまだ赤ちゃんだった頃、とてもハンサムな男の人が遊びに来ていた。それはシリウスだったのかもしれない。
『そうだったのね。知らなかったわ』
シリウスの話はそこで終わり、他の話題にうつった。ホグワーツに行くまで、もう1週間を切った。新しい学期が始まる。