第48章 再会
レギュラスは、闇の陣営にある程度まで入り込んだ時、恐れをなして身を引こうとした為、数日後にヴォルデモートの命を受けた他の死喰い人に殺されたとされている。
『知ってるわ』
「私のことを知っている人に見られたみたいです。それで、ダンブルドアは確認しに来たんです。本人かどうかを」
レギュラスはそこで私をまっすぐに見つめた。
「ダンブルドアが来たときは、もうダメかと思いました。でも、会う約束をしていたから。正直に全てを打ち明けました。そしたらダンブルドアは信じてくれて、私が生きていけるように色々としてくれました」
私はそこまで聞いておかしいなと感じた。アルバスは、前世の記憶では確か、セブルスが助けを求めたとき見返りを求めていた。それを求めなかったのだろうかと。それにそんなにすぐ信じるだろうか。
『アルバスはなにかを求めなかった?』
「...いいえ、何も」
少しの間が空いてからの答えに何かしら求められたのはわかったが、言いたくないなら聞かない方がいいと思い、何も聞かなかった。私達は久しぶりに会ったため、たくさんのことを話し続けた。
「話しすぎてしまいましたね。時間大丈夫ですか?」
『いけない!そろそろ帰るわ』
時計を見たレギュラスは、心配そうに問いかける。私も時計を見て時間の経過の早さに驚いてしまった。
「漏れ鍋まで送っていきます」
レギュラスと漏れ鍋に向かい、手紙を送ることを約束して別れた。
部屋へと帰って来た私は、椅子に腰を掛けて机に猫のぬいぐるみをおく。
「どうかしたのかい?」
レギュラスと会っていた間、ずっと黙ってくれていたトムがそう言う。
『ううん、何もないわ』
トムは実体化して、私の座っている椅子の肘掛けに座った。ちなみにトムは、実体化しなくても声だけは出すことが出来る。
「浮かない顔をしているのに、何もないの?」
トムが心配そうに私を見つめる。
『レギュラス、アルバスに何を求められたのかなって。危険なことかしら』
「おそらく大丈夫だよ」
『え?』
おそらくといいながら、自信がありそうに言ったトム。
「あの狸爺も、ユウミには甘いからね。君が救ったと知っているならそんな無茶は言っていないはずだよ」
少し納得いかないが、トムが言うならそうかもしれないと納得することにした。