第48章 再会
2回目の夏休みに入った私は、漏れ鍋へと来ていた。ある人物と会うためである。
「でも、本当に会えるのかい?日にちはわからないんだろう?」
小声で囁いたのは、私のポケットに入っている猫のぬいぐるみを本体にしたトムだ。
『そうね...。でも、きっと会えるわ』
どこで待っていようかと奥に進もうとした私の肩に、誰かの手が置かれる。びっくりして振り向いた私は、そこにいた人物を見て目を大きく見開いた。
「私のことわかりますか?」
『えぇ、わかるわ』
私はその言葉に微笑む。二人で移動したのは、喫茶店だ。漏れ鍋で話すようなことではないからと連れてきてくれた。席について注文して、注文したものが届くまで二人して無言だった。
「あのときと変わりませんね。すぐにわかりました」
注文したものが届いて、すぐにそう言われる。
『そうだったの?でも会えて良かったわ』
彼の言葉で、私が彼とあったときの容姿がトムと過ごした前世の姿の私とは違うとわかった。
『その、名前はなんて呼んだらいいかしら?』
「レギュラスと呼んでください」
私の前にいる彼、レギュラスはそう言う。そう、私はあのとき洞窟で出会ったレギュラス・ブラックと会っていたのだ。
『大丈夫なの?』
「えぇ、大丈夫です。名字を呼ばないでもらえれば」
『わかったわ。あれからどうしたの?』
レギュラスは、あのとき私が消えてしまってからのことを話してくれた。名字だけを変えて、しばらくは私からもらったお金で細々と生活していたらしい。
「でも、私のところにある人物が訪ねてきたんです」
『ある人物?』
私は、きょとんとする。
「はい、ダンブルドアです」
『え?!大丈夫だったの?』
予想外の人物に驚くと、レギュラスはくすっと笑う。
「えぇ、大丈夫です。でもそのときにあなたのことを話してしまいました」
アルバスはそんなこと何も言っていなかったのにと思っていたら、それを見透かしたように言われる。
「ダンブルドアには、私からお願いしました。自分から話したいからその時までは何も伝えないでほしいと」
だから、アルバスは何も言わなかったのかと納得した。それから一番気になっていたことを質問する。
『そうだったのね。アルバスは何の用だったの?』
「私は一般的に死んだとされているのは知っていますか?」