第46章 優しさ
「無事に帰ってこれたんだね、良かった」
『フォークスとミーアが迎えに来てくれたの』
色々聞きたいことがあるはずなのに、ハリーは何も聞かずに微笑む。
「君がいなかったから、僕すっごく驚いたんだぜ!」
ロンが私に言う。
『ごめんね、でもみんな無事で良かったわ』
「そうよ!それにロン,ハリー、ユウミのこといつまでも引き止めてちゃだめよ」
私がにっこり笑うと、ハーマイオニーが同意してくれた。しかし、ハーマイオニーの言葉にひっかかり首を傾げると、ハーマイオニーは私の背中を優しく押す。
「ユウミ......」
目の前には、クレア,ミア,エイミーがいた。クレアは、目に涙を浮かべている。私が近づくと、すぐにクレアが私に抱きついた。
「心配したのよ、ユウミ!どれだけ心配かけるのよ!!」
『ごめんなさい、クレア』
私もクレアの背中に手をまわす。
「でも無事で良かった〜」
「そうね、良かったわ」
『ありがとう、エイミー、ミア』
クレアと離れて、エイミーとミアともハグをする。そこからは、みんなが無事だったことに安心してクレア達3人とはしゃいでいた。
「「ユウミ!」」
『あら、フレッドにジョージ?』
双子の二人に声をかけられた私は、クレア達に一言言ってから少し離れたところまで来た。
「無事みたいだな!」
「安心したよ!」
「どうなることかと思ったぜ!」
「「よかった!!」」
二人は交互にそう言い、最後にハグしてきたのを受け止める。フレッドとジョージとそこで話していると、二人が呼ばれたため見送った。私も戻ろうかとしたとき、また声をかけられる。
「ユウミ!」
『セドリック?!』
私の名前を呼んだのは、ハップルパフ寮のところにいるはずのセドリックだった。
「僕も心配だったんだ、大丈夫?」
『えぇ、大丈夫よ、ありがとう』
にっこりした私に、セドリックも安心したように微笑む。セドリックと話してから、クレア達のところへ戻った。
明け方の3時30分頃にハグリッドが現れて、アズカバンから帰ってきたり,ハリーとロンがそれぞれ200点ずつグリフインドールの点を増やしたことで、寮対抗優勝杯を2年連続で獲得することになった。そしてミネルバが、学校からのお祝いとして期末試験が中止されたと全生徒に告げた。