第5章 ホグワーツ特急
『ドラコ!久しぶりね。どうかしたの?』
実は私の両親はどちらも顔が広く、寮に関係なくどの寮の人とも仲良くしていた。そのうちの1人がマルフォイ家で、その関係でドラコとは幼馴染というやつなのだ。
「一緒に座ろうと思ってコンパートメントを取っておいたのに、ゴイルがここに入るのを見たと聞いたから来たんだ」
『そうだったのね、ごめんなさい』
ドラコと会話をしているとふとクレアが目に入ったので、紹介することにした。
『ドラコ、こちら同じコンパートメントになった子でクレア・ウィシャート、同じ1年生よ。クレア、えっと知ってるかもしれないけどドラコ・マルフォイ、私の幼馴染なの』
「その...よろしくお願いします」
「...あぁ、よろしく」
クレアが気まずそうにしていたので、私はクレアに声をかけて外に出ることにした。
『ドラコ、クレアが綺麗だから緊張しちゃったの?』
「ちがう!そんなわけないだろ。ウィシャートは聞いたことないと思っただけだ」
からかうように笑いながら声をかけると、心外だというように返された。
『それで用事はあるの?』
これ以上話を膨らませても、嫌な予感しかしなかったので話を変えて聞いた。
「ダイアゴン横丁に行けなくて、会っていなかったからきただけだ」
ドラコは白い頬に赤みをさしながら答えた。実はダイアゴン横丁に一緒に行かないかと誘いを受けていたのだが、日程が合わず断念したのだ。
『ふふ、そうね。会いに来てくれてありがとう、ドラコ。じゃあ、クレアが待っているから行くわ』
笑いながらドラコに声をかけ、そこで別れた。自分のいたコンパートメントに戻るとクレアは寝ていたので、ブランケットをかけるとその間に着替えた。するとガラッと突然ドアが開いたのだった。びっくりしてそちらを見るとあの女の子がいた。
「失礼するわ。ヒキガエル見なかった?ネビルのヒキガエルが逃げたの」
そう3人組の紅一点の女の子、ハーマイオニーである。
『見てないわ、ごめんなさい』
「いいえ、気にしないで。ありがとう、失礼するわ」
私が申しわけなく思い謝ると、笑顔を浮かべてくれた。ハーマイオニーも出ていき、しばらくするとクレアが起きたので着替えるように言い、また各々自由に過ごしていた。