第5章 ホグワーツ特急
自分の荷物を置いたところのコンパートメントに戻ってきて、席に着いた。外にはお父さまとお母さまが見えたので、窓を開けると同時に列車が出発した。2人に手を振っていたが、しばらくして姿が見えなくなったので窓を閉めて本を取りだし読み始めた。しばらくするとノックの音が聞こえてきたので返事をすると、そこには綺麗と言われそうな女の子がいた。
「ここ空いてるかしら?他のところ埋まっていて...」
『空いてるわ。どうぞ入って?』
その女の子が入ってきたので、荷物を上げるのを手伝い無事に終わると女の子は私の正面に座った。
「ありがとう、助かったわ。私はクレア・ウィシャート、今年入学の1年生よ。クレアって呼んでくれると嬉しいわ、よろしくね」
『どういたしまして。私も今年入学の1年生のユウミ・マーレイよ。私もユウミと呼んでくれると嬉しいわ。よろしくね』
自己紹介をされたので、私も自己紹介をするとその女の子は驚いたように目を開いたのだった。
「マーレイって、あのマーレイ?」
この女の子クレアが驚くのも無理はないのかもしれない。私の生まれた家は、あのマルフォイ家にも劣らないような名家なのだ。そして純血だということも知られている。もちろん断じて純血主義ではない。
『どのマーレイかわからないけど、そうだと思うわ。でもそんなの関係ないわ。私、あなたと仲良くなりたいの』
この子が入ってきたのを見て直感がこの子とはこれからも長い付き合いになるくらい仲良くなれるといっていたのだ。だから、家のことは気にしないで仲良くしてほしいと思っていた。
「ありがとう。私もよ。よろしくねユウミ」
『こちらこそ、よろしくねクレア』
不安だったが、笑ってくれたので安心して私も答えた。
そこからもしばらく話していたが、ひとつのノックの音が響いた。
『どうぞ』
顔を見合わせてアイコンタクトで私が答えると扉が開きそこにいたのはドラコ・マルフォイだった。